見出し画像

【ポルトガル語】「落ちたらいいナ」という服があるという話 www

ポルトガル語に
「Tomara」という間投詞があります。

これは願望を表すもので、
単独で「Tomara!【トーラ!】と言えば、
「どうかそうなりますように!」
といった、
イスラムの「インシャラ―」的な表現として使うことができます。

また、
「Tomara」のみにせず、
「yes」に相当する「sim」に繋げて

「Tomara que sim!」

伯葡語:【トーラキ・スィン】    
欧州葡語:【トゥーラク・スィン】    

という言い方もできますし、

逆に
「no」に相当する「não」に繋げて

「Tomara que não!」

伯葡語:【トーラキ・ゥン】    
欧州葡語:【トゥーラク・ゥン】    
(=「どうかそうなりませんように!」)

といった
使い方もできます。

更に、
具体的な動詞に繋げた文も作ることも可能で、
その場合は次のような構文が用いられます。

「Tomara que (動詞の接続法現在)」

           伯葡語:【トーラキ】
          欧州葡語:【トゥーラク】

  例文:

・「Tomara que não chova」

  伯葡語:【トーラキ・ヌンショーヴァ】    
 欧州葡語:【トゥーラク・ヌンショーヴァ】      
        (=「雨がふりませんように!」

        「雨が降る」=「chover【ショヴェール】
「chover」動詞は(当たり前っちゃ当たり前ですが)、三人称単数にしか
なりません。そして接続法現在の変化形は「chova【ショーヴァ】」です。
  ちなみに「雪が降る」の場合は、「nevar 【ネヴァール】」という、別の
動詞が存在します。
 敢えて降ってきたものが「雨(chuva)」なのか「雪(neve)」なのかを
伝えるような文にしたいのであれば、「cair【カール】 (= 落ちる) 動詞を用いることになります。その「cair【カール】動詞を使うのであれば霰(graupel) であろうと、雹(granizo)であろうと、なんでも落とす、否、降らすことができます。w

・「Tomara que eles cheguem logo」

伯葡語:【トーラキ・ーリス・シェーゲン・ーグ】    
 欧州葡語:【トゥーラク・ールシ・シェーゲン・ーグ】      
        (=「彼らが早く着きますように!」

※  接続法現在になっているのは、「到着する」という意味がある
    「chegar【シェガール】」動詞です。その手前にある「eles」は
 「彼ら」。このように、「que」 (英語の "that" のような接続詞)
   と動詞のあいだに、他の言葉が入ることもあり得ます。
   なお、接続法は、規則変化動詞の場合、「ar」で終わるものは
   この「ar」が「e」に、「er」で終わるものは逆に「er」が「a」
   になるという特徴があるのですが、「chegar」動詞の場合は、
   このまま「ar」を「e」に置き換えて「chege」にしてしまうと
   読みが「シェ―ジェ」になってしまう為、「ge【ジェ】」では
   なく「gue【ゲ】」となります。要は、「音」が優先されると
   いうことです。

❇❇❇ 

さて、
どんどん文法話が間延びしていってしまいそうなので、
そろそろトップ画像の漫画の説明に行こうかなと
思うのですが…、

この漫画に限っては、
いつものように
いきなり和訳を書くのではなく、

事前に紹介したいものがあります。( *´艸`)

ブラジルの
アパレル用語に

”tomara que caia"

【トーラキ・イア】

というものがあります。

「caia」は、上でもちょろっと触れた「cair」動詞の
接続法現在形なので、
その意味は...、

「落ちたらいいナ」、
「落ちないかなぁ~」、
「どうか落ちますように~!」


といったもので、

その正体は、肩紐のない

こんな ⇓ トップスとか、

こんな ⇓ ワンピだったりします。

「どこのおっさんだよ、こんな名前付けたの!」

って感じですね!!

😅 😂 🤣



さて、それでは漫画です!

   父 「やぁ、ありがとう!ママには『tomara que caia』を
        あげたんだったよね!パパには何かな~?」
   息子「Tomara que caiba (入るとイイネ)!」

「caiba」とは、「caber【カール】動詞の接続法現在形です。
「caber」とは、
「(あるスペース内に)入る・入り切る・収まる」
といった意味の動詞で、
例えばある箱の中にある物が入るかどうか、
サイズが小さめの服が入るかどうか
といった時に、
「Coube(伯:【ウビ】、欧:【ウブ)?」
(=「入った?」)
と聞いたりします。

「落ちる」を意味する「cair」動詞も
こちらの「caber」動詞も不規則変化動詞で、

「caia」「caiba」という
接続法現在形は、
一文字違いの上、見事に韻も踏んでおり、

しかも
息子は母親に紐なしの洋服を上げているので、
お父さんにも何か着るものをあげるのだろうと
推測できます。

そして、
お父さんの体形を見れば、一目瞭然!

息子は

「Tomara que caiba!」

「入るかな?」、
「入ればいいナ」、
「どうか入りますように!」


と思いながら渡しているに違いありません。

そこへ
お父さんがそんなことを言うものだから、
息子君、
つい心の声が外に出ちゃったというワケネ!

😅 😂 🤣

というわけで、

本日もお読み頂き、まことにありがとうございました!


https://tenor.com/ja/view/i-hope-so-i-hope-tomara-gif-10638284

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?