見出し画像

マンデラ効果じゃあるまいな…


トップ画像は
アンゴラ共和国の首都ルアンダにある

Palácio de Ferro

(【ッスィウ・ドゥ・フェール】= 「鉄の館」)

と呼ばれる建物です。

これは Wikipedia を見ても、
その他のポルトガル語のサイトを見ても、

「詳しい経緯は不明。
1890年代にマダカスカルに運ばれる筈だったものが、
アンゴラの海域で船が座礁したことにより
ルアンダに運ばれたものだとも言われている。

その設計者は
エッフェル塔や自由の女神の作者として知られる
ギュスターヴ・エッフェル
である可能性が高いとされている」

といった内容になっています。

*****

ポルトガルの植民地時代には
カルチャーセンターとして利用されていたこの建物ですが、

戦時中放置された結果、
終戦直後はこんな ↓ 無残な姿になっていました。

画像1
画像3

戦後、
ダイヤモンド会社の Endiama が出資し、

ブラジルの大手ゼネコン Odebrecht (現 Novonor) により
改修され、

一時期は文化センターとして復活させるか、
劇場にするか、はたまた
コンベンションセンターのような用途を持たせるかなどとも
言われていましたが、

今はどうやらゲストハウスになっているようです。

画像2

*****

なのですが、

実は私がアンゴラに「通い始めた」1990年代後半、

当時私よりずっと年上の複数の人達から
こんな話を聞かされていました。

「あれが Palácio de Ferro と言ってな、
ルアンダでは有名な建物なんだが、

実はあれには面白い由来があるんだ。

19世紀後半、当時ポルトガル政府と仲が良かった
イギリス政府が

あの建物をモザンビークに贈ろうとしたのだが、

何かの間違えで、ここルアンダで降ろされてしまったんだ。

早々に間違いには気付いたらしいんだが、
どっちみち同じポルトガルの領土だからということで、

そのままここに建ててしまったんだそうだ!」

というのです。

最低でも関連のない2人の人にその話を聞き、
その後、「こういう話を聞いた」と他の人々にも

雑談の一環として訊いていますが、

皆、口を揃えて

「そうだ、そのとおりだ」

と返してもらったと記憶しています。

また、

かつてモザンビークの首都が
ロウレンソ・マルケス(LOURENÇO MARQUES)
という名称だったこと、

一方のアンゴラの首都ルアンダ (Luanda)の表記が
かつては「LOANDA」だったことも、

このようなことが起きやすかったであろうと
想像させます。

更に、
この建物の由来がはっきりしないことから
詳しい調査を進めている団体もあり、

一部では、素材の化学的分析からスコットランドの鉄が
使用されている
ことも判明しています。

そもそも
19世紀にポルトガルとイギリスの関係が良好だったことは
歴史的にも知れた話なのですが、

一方のフランスはというと、

ナポレオンから逃れるためポルトガル王室が一時期
ブラジルに避難していたことこそあれ、

その後、そのような「贈り物」をし合うような関係に
なっていたかどうかは知りません。

なのに
近年の報道は、ガンとして

「由来は不明」、

「マダガスカルへ行く途中の船から出てきたものらしい」

「作者はエッフェルである可能性が高い」

としており、

ネットでどんなに探しても、
1990年代当時のおじいちゃん達から聞いたような話は
一切出てきませんし、

現地でも、
ここ10年程は誰に訊いても

「そんな話知らない」

と言われてしまいます。

*****

建物がルアンダに来た当時は
アンゴラもモザンビークもポルトガルの領土でしたが、

今はそれぞれ独立国家になっていますから、
要らぬ波風を立てないよう、

このような「あらすじ」にすることにしたのかもとも
思わなくはないのですが、

それにしても、私としては

きつねにつままれたような気がしてなりません…。

どうです?
なんだかマンデラ効果っぽい話でしょ?!


と、あくまでも「マンデラ効果」ではないと思っているふりをしつつ、
内心「マンデラ効果だったら面白いのに~!」と思っている Shiomin >笑

*****

そういえば、
ブラジルワインの由来も話が変わってしまったし…、

なにかと私の人生、狐につままれる傾向があるようです...。>爆!

そんなこんなで、
モヤモヤしたままではありますが…、

本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!

魔法使い 猫

※ 「Shiomin ちゃんは眠くなる~、眠くなる~!」否、
「魔法使い 猫」はこたつぶとんさんの作品です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?