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ポルトガル語の母音の上に乗っている「ニョロッ (~)」(笑) の正体教えます!


以前、どこかで、

「Shiomin さん、ポルトガル語圏に
『サオトメなんちゃら』って国もありませんでしたっけ」

と聞かれたことがありました。

「『早乙女』ちゃうねん、『サントメ・プリンシペ』でんねん」

とお教えした次第ですが(笑)、

ま、なんてったって

São Tomé e Príncipe


と書きますから、

アクセントなんてものは目にも入らぬ日本人にとっては

なるほど・ザ・早乙女~!


って感じなんでしょうね…。>笑!

*****

ところで、この「São Tomé」の

「São」

の「a」の上に乗っかっているニョロッっとしたヤツ 「~」には

「Til」
(伯葡語:【チウ】、欧州葡語:【ティル】)


という正式名称があり、

ポルトガル語を習い始めると、極々早期に

「これがあると、母音が鼻に掛かった音になります」


と習うのですが、

「んなこと言われてもなんだかよく分かんないし~、
ローマ字追うので精一杯で目にも入らないし~…」

という人も多く、

更には

「なんだか鼻に掛かるって聞いたは聞いたけれど、
"N" があるわけでもないものを『ン」とは読めないでしょ~!」

と、完全無視で読み続ける人もいたり...。


なので、今日は

この「Til」と呼ばれる「ニョロッ (~)」の
存在感が大きくなる説明をする、

というか、

この「Til」君の正体を暴いてしまおうと思います。

*****

この「Til」、実は「エヌ (N)」なんです。


「何言ってんねん」と?


では、見て下さい。↓

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そう!

この子、ナント「N」が平らになっちゃったものなのです!!


例えば、

「mão【マゥン】」


という言葉があります。

これは、「手」という意味で、
ラテン語の「manus【マヌス】」という単語が語源です。

あら、そういえば、
(今は学校教育から外されてしまったけれど)
これを読んでいる人なら大抵

英語の授業で「マニュスクリプト体」なんてものを
習ったのではないでしょうか。

「マニュスクリプト (manuscript)」とは「書き」のことなので、
「マニュスクリプト体」は「筆記体」とも言いますよね。

おっと、もっと身近な英単語にも、

「manufactureなんてぇのがありますね。

これは「手で作る」という意味で
「製造」と訳されることが多いですね。

*****

ラテン語で「-us」で終わる単語は、

基本的に
ポルトガル語では「-o」で終わる単語になっています。

つまり、

「manus」ならば、
基本形は「mano」になります。

この「mano」が、

母音をはっきり発音しないポルトガル人に話されているうちに

だんだん全体的にぼやけていってしまい、

「マゥン」のような発音になってしまい、

「これって『マウ』が鼻に掛かったように聞こえるね」
ということになり、

『mao』じゃ物足りないし、
元々 "N" があるから鼻に掛かるわけだし…」

ということで、

「『元々は "N" があったんだよ。だから鼻に掛かった発音で読んでね』
って、『印』として "N" のちっちゃいのを "a" の上に乗っけようよ!」

「んだ、んだ、そうすっぺ!」

と作られたのが「Til」君なのです!

ほうら、「TIL」君の存在が少し増したでしょ?! >笑


長くなってしまったので、もうちょっと話したいこともあるのですが、
それはまた明日にでもしておきますね。

分からん語の分からん「ニョロッ!」について

だらだらと失礼致しました!

にゃんでだよ ねこ

※ 「Shiomin ちゃん、くどいんだよ!」、否、
「にゃんでだよ ねこ」はこたつぶとんさんの作品です。


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