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「初秋」、ラブソングが沁みる

学生の頃によく聴いていた、
浜田省吾さんの楽曲を今聴き直すと、
歌詞の内容に、驚くほど心が反応する。
かつてそんなに深く考えずに
聴いてきた自分を今少し恥じている。

そのなかに、「初秋」という曲がある。

♪「戦火に倒れた恋人を抱きしめて
泣き崩れる男を映す TVニュース
誰かを愛したらその喜びと
同じ重さの哀しみも 手にするのか」♫

人を愛することは理屈ではない。
だから心焦がれ、愛しい人との
別れが来れば言葉に尽くせぬほど哀しい。

そして人生は瞬く間、
楽しい時間も苦しい時も
やがて無となり空となり
過ぎ去ってゆく。

♪「永遠の別れが いつか来ることに
人は 皆 気づいているから
君と出逢って こんなにせつない
胸の奥が苦しい程
ふれあい いたわり
陽ざしの中で 短い時を共に過したい」♫

この曲は、ピアノのイントロも秀逸。
実にドラマティックに始まり、
やがてポップ感あるサウンドが加わり
主題に入っていく。

そして哲学的な全体感の歌詞ながら、
実に濃厚なドラマを刻む。

♪「いつか君を見送る時が来たなら
笑顔で別れを告げよう
君が僕を見送る時は
この歌を思い出して
どんなに 二人で過ごした人生が
幸せに満ちてたか」♫

最後はぐっときて、
僕はカンオチする。

♪「愛してる いつまでも
傍にいても 離れていても いつでも
僕の名を呼ぶ声も
僕の手にふれる ぬくもりも
はかなくて 愛しい
約束も 誓いの言葉も 何もいらない
君がそこにいるだけで」♫

浜田省吾さんは楽曲を通じて
社会的テーマや恋愛、そして家族、
人生の喜びや悲哀の全て、
人の持ちうる感情の機微を描き切る。

こんな自分に老いと、
センチメンタルを感じ、
不思議なぎこちなさがある。
でもまんざら、
そんな自分が嫌いではない。

浜田省吾さんが究極の愛を綴ったこの曲。まだの方は是非聴いてみてください。

※「初秋」は、「その永遠の一秒に」と
「初秋」という2枚のアルバムに入っており、
それぞれ演奏が違い、テイストが異なります。
重厚感のある前者が好きです。


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