夢を叶えたいあなたに伝えたい洋服があります
中学3年生の頃に同級生の影響で洋服の魅力に取り憑かれ、今に至る（41歳）までに体験した『洋服』をはじめとした『モノ』にまつわるアレコレ。
自分の価値観を形成するうえでターニングポイントとなった『私と"モノ" との記憶』いわばモノにまつわる物語を書き綴る日記。
これは、
『おすすめアイテムの紹介』ではない。
『私物紹介』でもない。
読んだあなたが、少しでも洋服を好きになるきっかけ、自分の使う道具を愛らしく感じてもらえるようになれば嬉しい。
：Episode.76
『Painted Blank "Jiro"』
今回は、エピソード5で書いた半纏ジャケットを改めて紹介したいと思う。
詳細はこちらで確認して頂けたら嬉しい。
このアイテムだが、7月に発売して店頭の在庫も残り数枚となった。実売を考えるなら店頭在庫がまだ多く残っているものを書いた方がいいのだろうが、このマガジンでは「私が書きたい」という素直な衝動に忠実に書き続けると決めている。
先日、このアイテムを購入してくださった20歳そこそこの女性のお客さん。
県外の大学に通っているのだが、ここ最近は徳島に帰ってくるたび来店してくれ、すごく店を気に入ってくれているのが伝わってくる。
この半纏ジャケットも以前から気になっていたようである。
この女性、明らかに普通じゃない（良い意味で）。人生でターニングポイントになったのは小学校の担任の先生だったようで、自分も小学生の先生になるために大学へ行っている。
すでに明確なビジョンを持ち自分の人生を設計していることにも驚いたが、夢を叶えた数年後は小学生の先生を辞めて、徳島を盛り上げるための会社を作りたいという。
彼女の目が嘘ではないことを物語っており、親子ほど年の離れた私でも納得させられるほど力強く言い切る姿に、
「きっと叶うだろうな…」と、何か確信めいたものを感じさせられた。
購入してくれたこの半纏ジャケットだが、なぜか女性に評判がいい。それも夢を持ち前を向いている人や、すでに自分のやりたいことをやっている女性が多数購入してくれている。
私がコレクションしていたこのアイテムにふさわしいデザインを持った明治時代の半纏を再構築したこのアイテム。江戸時代の「裏勝り」「通」「粋」といった日本人特有の美意識を表現すべく、裏地には久留米織の伝統素材を使い、表地にはヨーロッパの高級スーツに使われるウール素材を組み合わせた。
そういった物語に感動してくれて購入してくれるのは私の店の場合、決まって男性なのだが、女性はもっと直感的に「可愛い」と一言で購入を決めてくれたりしている。
もちろん男女で感覚の違いはあるだろう。ただ私が思うに、好きなことをやろうとしている人間（男女問わず）はすべからく、近い考え方を持っているのではないだろうか。
私が普段男性ばかりの話を聞いているだけなのかもしれないと、先日の女性から改めて考えさせられた。
他の店はわからないが、私の店の商材を心底好きになってくれる人というのは俗にいう「変わり者」が多い。
変わり者というのは少し語弊があるが、この女性のように夢を持ち前を向いて歩いている人、何か始めたい人、すでに夢を叶えて次へ進もうとしている人が多い。
簡単に言えば安定思考ではなく、
「自分の人生なのだから好きなことをやり続けたい」
そんなお客さんが異様に多い。店に通い始めたことがきっかけで仕事をやめて自分の好きなことを始めるお客さんもそれに比例して多い。
だから人生相談、仕事の相談が多いのだが、なぜそういう人種が私の店の洋服、私の店を好むのか…
それは今まで数え切れないほど考えてきた。こうやって文章にすることは今まであまりなかったが私が思っているのは、
濃度の高い洋服しか感じることができない、あの内からフツフツと湧き出すような高揚感は、自分を奮い立たせる活力となることを無意識で感じ取っているのではないだろうか。
洋服とは身を守り見た目を整える道具だが、一方で自分の内側に大きく作用するツールでもある。
…結局何が言いたかったのか自分でも分からなくなってきた 笑。
ひとまず、先日購入してくれたこの半纏ジャケットが彼女のこれからの人生の支えになってくれることを心から願っている。
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