[続.洋服物語] 作業着なのに王室御用達!?
中学3年生の頃に同級生の影響で洋服の魅力に取り憑かれ、今に至る(41歳)までに体験した『洋服』をはじめとした『モノ』にまつわるアレコレ。
自分の価値観を形成するうえでターニングポイントとなった『私と"モノ" との記憶』いわばモノにまつわる物語を書き綴る日記。
これは、
『おすすめアイテムの紹介』ではない。
『私物紹介』でもない。
読んだあなたが、少しでも洋服を好きになるきっかけ、自分の使う道具を愛らしく感じてもらえるようになれば嬉しい。
:Episode.31
「60s PEXWEAR GENERAL PURPOSE COAT」
久しぶりのメインマガジン。今回は少し珍しい変わり種のビンテージコートを紹介する。まずはブランドの紹介を。
今回紹介するのは、60年代に生産されたもので、general purpose 名前の通り様々な用途に使われていた一般的なコットンコートの未使用品である。
ざっくりとしたシルエットといかにも頑丈そうなツイル生地に加えて、大小様々な大きさのポケットが配置されている。
フロントボタンには、古いワークウェアや軍物によくみられるデティールで「チェンジボタン」と呼ばれるボタンが金属の輪で留められているものがついている。これは洗濯の際に生地を傷めないためや、取り外しや交換が容易という理由から付けられている。
素材や仕様を見るに正真正銘のワークウェアーである。
ただ、このブランドに関して他とは少し違っているのは、ワークウェアーなのにロイヤルワラント(王室御用達)が2つもついているという点だろう。
「王室御用達」の認定は、王室に商品やサービスを提供したことがある人と企業に与えられるもので、認定の対象となるのは、王族のいずれかの世帯に「過去7年のうち5年以上」「定期的、かつ継続的に」製品やサービスを提供しているという基準があるようだ。
労働者の作業着に加えて、王室関係の従事者に向けたワークウェアーを提供していた歴史があることを考えれば大きな違和感はないが、ここまで徹底した簡素なワークウェアーにワラントタグがついているというのは、私の知識不足もあるだろうがあまり知らない。
どういう経緯で王室御用達の作業着ブランドとなったかは定かではないが、王室から認められた作業着というだけで何かしらロマンを感じるのは私だけだろうか?このマークに裏付けられたハイクオリティーな作業着が時代を越えて私の目の前にあると思うと感慨深い。
このような歴史や背景ある衣類を現代に合わせて組み合わせることで装いに深みをもたらすことは過去に何度も書いたが、同時に歴史を肌で感じているような感覚を覚えることがある。
決してビンテージ博士になりたいわけでも頭でっかちな洋服好きオヤジになりたいわけでもないが、なんだろう。タイムスリップとも違うあの感覚…。ソレを味わいたいからこそ、古い物と新しいものを同時に店頭に並べているのかもしれない。
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