「禁じ手」を取り入れてみる


コードには乗せると響きが変になるという理由でコードの中には含めてはいけないとされる音があり、これを「アポイドノート」と呼んでいます。

テンションコードの説明のなかで、Cメジャーの四和音に「レ」「ファ#」「ラ」を乗せましたが、「ファ」の音に#をつけたのは4度のファがアボイドノートに当たるからです。たとえばDヨ7であれば6度のシの音というように、アボイドノートはコードによって変わります。
このアボイドノートはいわばフグの毒みたいな存在で、上手に料理すればおいしい音になる。
実際、クラシックの名曲にはうまく採り入れられた例が数多く見受けられます。強拍で1拍目のアタマに置くと変に聞こえるけれども2拍目のウラなら問題ないというように、使う際には微妙なさじ加減が必要ですが、「Aメロは完璧にできたけどBメロで行き詰まった」みたいなときにはスパイスとして利用してみるのもひとつの手でしょう。
コードにまつわる作曲技法の話をいろいろとしてきましたが、アンサンブルの流れをCTスキ
ャンにかけたように縦で輪切りにした瞬間がコードです。その1小節の中にたとえばじがあった
としても、じが必ずしもその小節を支配しているわけではありません。
から、コード進行にあまり縛られすぎない方が良いということも真実です。まにとらわれず、聴いてみて違和感がなければ0Kくらいに考えておけば良い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?