ワンパターンを避けるために


作曲家やシンガーソングライターの中には、お風呂に入っているときやトイレに入っていると
きによく曲ができるという人もいます。気分が解放されて、頭の中で自然とメロディが鳴るので
しょう。得てしてそういうときにいちばん良い曲ができることが多い。ですので、作曲はできるだけ音を鳴らさないで行うのが理想的です。
僕自身も楽器を鳴らした瞬間に「日常」になってしまい、イメージが自由でなくなってしまう
ことが多くあります。楽器を弾いて曲を作っていると、どうしても自分の「安住の地」のような
フレーズしか出てこなくなるのです。なるべく楽器を使わず、曲を頭の中に描いていく。それが
固まってきたら、細かいところも含めて楽器を使って整えていくというイメージです。
何かをクリエイトする作業では、発想を豊かにして「自分自身を裏切る」ことが大切です。僕
自身ピアノを使って曲を作ることもあれば、ギターをフィーチャーした曲を手がけるときにはギ
ターしか使わないこともある。ピアノで作った曲は3コードではない展開になりがちで、やっぱ
りピアノっぽいなという感じがするし、ギターを弾きながら歌って作った曲はギターで作った曲
して聴こえるように、やはり楽器の性格が出ます。ロック系の曲はだいたいギターで作
が多い。楽器を変えるだけで発想の仕方も大きく変わり、気分も違ってきます。複数の
楽器ができる人は、使う楽器を変えてみるのもお勧めです。
また、いつも同じキーで作っていて似たような曲になってしまいがち、というのもよくあるパ
ターンです。それを避けるためにも、いろんなキーで曲を書くことを意識的に心がけた方が良い
でしょう。ピアニストの場合はキーが変わると景色が変わるので気分も変わって違う曲ができる。けれど、ギタリストはカポをしてしまうと景
色は同じなので、単調にならないように気を
つけた方が良い。

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