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今、GARLというBOOWYトリビュートバンドを見ておくべき理由

まず最初に、GARLとは平均年齢20代前半のメンバーで構成されたBOOWYのトリビュートバンドである。彼らは令和の今、昭和の最後を駆け抜けた伝説のロックバンドBOOWYの曲を、大真面目にライブハウスで演奏している。

これを書いている私も、BOOWY直撃世代ではない。むしろGARLのメンバーと同じく『なんで今BOOWYを?』と聞かれて20代を過ごしてきた30代である。無論、解散のあたりに生まれ、LAST GIGSにも行っていない私は、直撃世代からしてみれば、当時は謎の存在だったと思う。

でも私はBOOWYを好きになった。ビジュアル、サウンド、そして人気絶頂で解散したドラマチックな展開。今日まで再結成せず、頑なに、80年代の熱狂を守るBOOWYはますます伝説の価値が高まっている。

しかしながら、もちろん生で見たかった。新宿ロフト、日比谷野音、佐賀県民の森で野菜を報酬にもらった頃のBOOWYを、ハイエースで全国のライブハウスを回っていた頃のBOOWYを見ることが出来たら。
そんな時に出会ったのがGARLだった。

氷室京介が卒業し、布袋寅泰はロンドンへ。
ソロでBOOWYを聴く機会も減り、持て余し気味のBOOWY熱を抱えYouTubeで見たものは、BOOWY世代からかけ離れた若者たちが、驚くべきクオリティでBOOWYを演奏している姿だった。

好きだから集まって演奏してみた、というレベルではないことはすぐに伝わった。そしてまさかのビジュアル。細身のギター、寡黙なベース、楽しそうなドラム、そして自信たっぷり笑ったヴォーカルは、当時のBOOWYを彷彿とさせて、画面に釘付けになった。至極、カッコよかった、単純に。
ずっと思い描いていた、あの当時のライブハウスにいたBOOWYへの憧れが昇華された気分になった。
彼らは、今、ライブハウスに立っているのだ。

GARLを見て欲しい理由、それは現場に行った人に初めてその場で体感してほしい。

若いからいいのか?演奏のクオリティが高い?ビジュアルがいいから?
GARLを、BOOWYが好きな人、好きだった人、BOOWYを知らなかった人、全員に薦めたい理由は、その大前提を超えた、若い4人が生み出す圧倒的熱量を、ライブハウスのあの手の届く距離で感じて欲しいからだ。
本物がいいに決まってる。そんな正論をねじ伏せるほど、彼らはBOOWYというバンドをリスペクトしている。そして全く同じものでないことも、同時に感じることができるはずだ。
BOOWYが解散した後に育った、生い立ちも、エピソードも違う彼らがBOOWYというものを自分自身を使って表現していることを。

先日、GARLは高崎のライブハウスで『16』を歌った。
これほどまでにこの場にふさわしい曲はないと思った。コロナという未曾有雄の事態を経て、ライブハウスに立てなかったGARLのメンバーは、まさにこれから列車に飛び乗って、夢を掴むために走っていくのだろう。
GARLの目的地がどこなのか私にはわからない、でも、明後日へ心を走らせて、ただただ前に進んでいく姿を追っていけるのは、なんて夢のみれる話ではないかと私は思うのだ。


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