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東堀留川と思案橋

スローリー余話
川と橋と美味しいもの#11

大正時代の思案橋(写真提供:中央区立京橋図書館)

1949(昭和24)年に埋め立てられた「東堀留川」。江戸のはじめ慶長年間に堀として整備され当時は堀江町入堀と呼ばれていたという。日本橋川から小網町あたりで分流し行列の絶えない小網神社の裏あたりから最近整備された中央区立堀留児童公園あたりまで流れていました。

堀留児童公園の案内板

公園には歴史を記した案内板が設置されています。東堀留川には「思案橋(小網橋)」「親父橋」「万橋」と三つの橋がありました。なかでも「思案橋」の名前の由来は明暦の大火まで現在の人形町にあった徳川幕府公認の吉原遊郭へ向かう道すがら「行くか行かぬか」悩み思案した橋だったからと言われています。

思案橋のあった場所は公園に

現在「思案橋」のあったあたりは小網町児童遊園になっていますが、この近くに悩まず行くべき名店『うなぎ 喜代川』があります。
(以下、『東京Slowly² voi.3』最新号より)

風情ある佇まいと
鰻の艶めき

うなぎ 喜代川

創業1875(明治7)年。1927(昭和2)年築の建物は。歴史的建造物として文化庁から“有形文化財”として指定されている。鰻のコース料理を注文した際に利用できる2階は、渡辺淳一氏の小説「化身」にも登場したという趣深い佇まい。1階でいただく『うな重』は甘さを抑えた伝統の味。熟練の職人によって焼かれた蒲焼は秘伝のタレによって美しい艶めきを放ち香ばしい香りとともに食欲を否が応でも高めてくれる。多くの文化人に江戸前うなぎと言えば『喜代川』と呼ばれた名店。その佇まいとともに極上の“うなぎ”を愉しもう。

名物『うざく』。胡瓜を細かく千切りし出汁を活かした優しい酢の物。まるで椀物のような繊細な美味しさ
2階のお座敷。赤い絨毯の廊下の先に日本庭園の中庭

うなぎ 喜代川
〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町10-5
03-3666-3197
営業時間:11:00-14:00 17:00-20:00(L.O.)
定休日:日・祝