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フィリピン株のGREEN、アグリナーチャーってどんな会社?

どうもshoheybeatzです。

最近、フィリピンでもフィンテック関連のニュースをネットやテレビで頻繁に見かけるようになりました。

フィンテックといえば、これまで別の記事でもご紹介させて頂いた金融(finance)と技術(technology)の融合を表すテクノロジーのことです。

身近な物でVISAやマスターカード、日本のSUICA、スマホ決済、ビットコインなどの仮想通貨がフィンテックに当たります。

こういったテクノロジーは日本であれば当たりのことのように感じますが、これまでフィリピンではあまり浸透しておらず、当たり前ではありませんでした。

私がフィリピンに来たばかりのときは、とにかくいろんなことが不便で、そんな時代遅れの国を変えたのは紛れもなくコロナだと思います。

今はショッピングはもちろん、タクシー、乗り合いバンなどの交通機関も電子決済が利用できるようになり始めてきていて

こういったテクノロジーの進歩によって人々の生活がどんどん変化していくのを肌で感じることができます。


今回はそんなフィリピンでフィンテック事業に参入してきたGreenergy holdings Inc(Green)についてご紹介いたします。


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GREEN、アグリナーチャーとはどんな企業?

以前「フィリピン株で今年注目されているおすすめクリエネ(再生可能エネルギー)銘柄」という記事でもご紹介させて頂いたGreenergy Holdings Inc (GREEN)は華僑のビジネスマン、アントニオ・ティウが率いる持ち株会社で、子会社を通じて再生可能エネルギーの開発や廃棄物処理施設の運営、農業や不動産開発を行なっています。

もともと1992年に特殊半導体製品の製造を目的としてし設立されましたが、

1999年に持株会社となってからはバイオテック、再生可能エネルギー、農業、アグリツーリズム、不動産開発、銀行および金融、情報技術の分野へ事業を拡大しました。

特に再生可能エネルギーの部門では、中国企業であるTianjin Tianbao Investment and Development Corporationとの合弁プロジェクトやオランダ企業、2012年に設立したGREENの子会社を通して、風力発電、バイオマス、太陽光、水力、地熱エネルギーなどの再生可能エネルギー開発プロジェクトを行っています。


またGREENはフィリピン国内で廃棄物回収施設および廃棄物管理システムの構築、運営および管理を行う国内企業であるTotal Waste Management Recovery System Incの51%を所有しています。

GREENは子会社に再生可能エネルギーに焦点を当てたWinsunGreen Ventures、持続可能な農業に焦点を当てたManohari Agri TourismPark、そしてANIとしてフィリピン証券取引所にも上場している農業に特化したAgriNurture Inc(アグリナーチャー)があります。

GREENと子会社のANIがフィンテック事業へ参入

2021年2月にGREENが放送大手のABS-CBN Corporation傘下のU-PayDigital Technologies Inc.の51%の株式を5,400万ペソで買収したことを発表しました。

U-Payは、フィリピン中央銀行から正式にライセンスを受けた電子マネーの発行者および送金会社で、他にもeコマースやサービスの広告、制作、配布、マーケティングを行なっている企業です。

今回の買収はフィリピンの消費者の、特にフィリピンに多い銀行口座を持っていない人々が簡単に金融システムにアクセスすることができるようにすることを目的としています。

同じくGREENの子会社で、主に果物、野菜、加工食品の栽培、生産、貿易を行っているアグリナーチャー(ANI)も昨年よりフィンテック企業のPay8の買収に乗り出しています。

Pay8は主にサービスが銀行口座を持っていない農村地域に決済ソリューションを提供することに焦点を当てたフィンテック企業で、

同社のeウォレットをアグリネーチャーの提携銀行にリンクすることで、農家はオンラインとオフラインでクレジットにアクセスし、全国のATMから利益を引き出すことができるようになります。

加えて、アグリナーチャーは今年からフィリピン全国で推定1350万人の銀行口座を持っていない農民と漁民へeウォレットとQRコードがついたANI金融カードを発行する計画を立てています。


またGREENも今年に入ってからシンガポールの決済会社Aleta Planetと業務提携し、「仮想クレジットカード」と国際送金事業へ参入する予定です。、

これらのフィンテック企業の買収や業務提携により、今後GREENはデジタルバンキングや、クローズドループエコシステム向けに独自の仮想通貨「Agri Token」を立ち上げ本格的にフィンテック事業に参入する予定です。

なお、GREENはフィンテック事業の他にも昨年米国とオーストラリアの企業と共にYakuru GroupPty Ltd の設立し、主にバイオテクノロジーの医療用大麻開発とマーケティングに注力することを発表したり、

今年に入ってからインフラとコミュニティ開発に焦点を当てた2つの完全所有ユニットの
Green Tunnel Boring CorpとGreen Commumitiesを設立し、2025年に完成予定のマカティ市地下鉄プロジェクトの開発を担当するなど、事業を拡大しています。

大化け株、GREENの株価

2020年4月に0.65ペソだったGREENの株価は、クリエネ(再エネ)銘柄というテーマ株として昨年から投資家の間で注目を集め、株価が爆上げしていました。

その上で2021年2月にGREENのフィンテック事業への参入というニュースが報じられたあと株価が4.9ペソ(653%)の最高値を更新した近年の大化け株の一つです。

しかし残念なことに、フィリピンのコロナの感染者数増加によるマニラ首都圏で局地的なロックダウンが開始し、フィリピン全土でロックダウンが懸念されたことにより、フィリピンのマーケット全体で売りが殺到し、GREENも3.56ペソまで下落しました。

その後、一旦株価が底打ちしたかのように見え、横ばいで1週間が経ち、ここ数日間の感染者数も落ち着き始めていたこともあり、少しづつ株価が上昇していました。

しかし本日3月19日金曜日は再度感染者数日の増加とマニラ首都圏でのロックダウンの強化と期間延長が発表されたことでマーケット全体で下がり、GREENは前日の-4.5%の3.82ペソでクローズしています。

短期的に見れば、GREENは最高値を記録後に下落トレンドに入ってしまっていて、しかもコロナの感染者数やマニラの規制が緩和されるまで、フィリピン株式マーケットはまだまだ不安定で、予断が許さない状況です。

しかし現在の株価をボリンジャーバンドで見てみるとまだ割安圏内にありますので、クリエネというテーマ株で尚且つフィンテックという新しい時代の波とも言える分野で、GREENは今後ますます注目されていく可能性が大ですので、中〜長期的には底打ちのあとは絶好の買いのタイミングになるのではないかと思っています。

まとめ

これまでクリーンエネルギー(再利用可能エネルギー)やバイオテクノロジーなどをメインに事業を展開してきたGreenergy Holdings Inc(GREEN)が昨年はテーマ株として投資家の間で注目されました。

そして今年はフィンテック事業にも参入、同じく子会社のアグリネーチャーも、フィンテック企業の買収に乗り出してきたことで、さらに注目を集めています。

2021年3月現在、コロナの影響によりフィリピンの株式マーケットがかなり不安定で、GREENも下落トレンドに入っているため、短期的にはエントリーするタイミングが難しいのですが、

フィンテックというフィリピンに吹く新しい風に乗り、まだまだ今後の成長が期待できる企業の一つだと言えるでしょう。


クリエネ(再エネ)についての記事はこちらを参照してください。

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