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ついにフィリピン株の空売りが可能に!でも開始は11月に延期

どうもshoheybeatzです。

2023年10月現在、フィリピンで話題になっているニュースがあります。

それは、ついにフィリピン株式市場で空売りができるようになる!ということです。

空売りとは、株価が下がると予想して、株式を借りて売り、安く買い戻すことで利益を得る取引方法ですが、

これまでフィリピン株式市場では空売りができませんでした。

しかし今年5月に証券取引委員会(SEC)により承認され、その導入開始日は10月23日と言われてしましたが、

それが11月6日に延期されることになりました。

今回はその延期の理由や空売りのメリットやデメリット、マーケットへの影響などについて、この記事では詳しく解説します。


空売りスタート延期の理由

フィリピン証券取引所(PSE)は、空売りプログラムの開始日を11月6日に延期すると発表しました。

その理由は、国内証券会社がシステムを準備するための追加の時間を必要としたからだそうです。

空売りのガイドラインは10月2日に発効され、PSEのラモン・モンゾン最高経営責任者(CEO)は記者会見で、空売りの開始日を10月23日と発表しました。

しかし、その約2週間後に延期が発表されたのです。

なお、空売りの導入は今年5月に証券取引委員会 (SEC) によって承認されました。

フィリピン株式市場はASEANエリアにある他の市場に比べて遅れているということから、地元証券取引所の市場活動を促進するのに役立つことが期待されていました。

しかし、多くのアナリストたちは国内で空売りが勢いを増すまでにはしばらく時間がかかると予想しています。

その理由は次の通りです。

空売りできる銘柄が限られている

空売りできる銘柄は、PSEi指数、中型株指数、配当利回り指数、上場投資信託に属する株式だけです。

すべての上場証券を空売りできるわけではありません。
これは、市場の安定性や流動性を保つための措置だと言われています。

しかし、これでは空売りの選択肢が狭まってしまいます。

空売りを導入するタイミングが悪い

2023年10月現在、フィリピン株は非常に割安なバリュエーションで取引されています。

PSEi指数は過去の平均PERを大幅に下回っており、個別株も適正価格を下回っています。

このような状況では、空売りよりも買いが利益が出やすく、優勢になる可能性が高いです。

 空売りのメリットとデメリット

空売りは一般的な取引方法ですが、メリットとデメリットがあります。ここでは、それぞれについて説明します。

空売りのメリット

空売りのメリットは以下の通りです。

メリット1: 株価が下落する局面でも投資のチャンスにできる

空売りは、株価が下落すると予想して行う取引方法です。

つまり、株価が上昇する局面では利益を得られません。

しかし、株価が下落する局面では、空売りで利益を得ることができます。

これは、市場の変動に対応できるという意味で、投資のチャンスを広げることになります。

市場は常に上昇するわけではありません。

下落する時もあります。

その時にも利益を得ることができれば、より効率的な投資ができると言えます。

メリット2: リスクヘッジとして活用できる

空売りは、リスクヘッジとしても活用できます。

リスクヘッジとは、保有している資産の値下がりリスクに対して、別の資産を取引して相殺することです。

例えば、ある株式を保有している場合、その株式の値下がりリスクに対して、同じ株式を空売りすることでリスクヘッジできます。

株式が下落すれば、保有株式の損失は空売りの利益で相殺されます。

逆に株式が上昇すれば、保有株式の利益は空売りの損失で相殺されます。

このように、空売りを使ってリスクヘッジをすることで、市場の変動による損失を抑えることができます。

空売りのデメリット

空売りのメリットは以下の通りです。

デメリット1: 株価の急上昇による損失

空売りは、株価が上昇すると損失がでますが、株価は理論上無限に上昇する可能性があるため、その損失は無限大になる可能性があります。

例えば、ある株式を1000円で空売りしました。

その後、株価が2000円に上昇した場合、空売りした株式を買い戻すためには1000円の損失を出さなければなりません。

しかし、株価が3000円や4000円にまで上昇した場合、損失はさらに増えます。

株価がどこまで上昇するかわからないので、損失も制限できません。

一方、株価は0円にしかならないので、空売りの利益は限定されます。

例えば、ある株式を1000円で空売りしました。その後、株価が0円になった場合、空売りした株式を買い戻すためには1000円の利益を得られます。

しかし、それ以上の利益は得られません。

このように、空売りは株価の下落幅よりも上昇幅の方が大きく影響します。

そのため、空売りする際には、株価の動向や市場の状況をよく分析し、適切なタイミングや銘柄を選ぶ必要があります。

デメリット2:  空売りのコスト

空売りは、株式を借りて売ることで行います。

そのため、株式を貸してくれる証券会社や投資家に対して、空売り手数料や金利などのコストがかかります。

これらのコストは、空売りの期間や規模に応じて変動します。

また、空売りした株式の配当が発生した場合、その配当を借り主である空売り者が貸し主に支払わなければなりません。

これも空売りのコストとなります。

このように、空売りは通常の株式取引よりもコストが高くなる可能性があります。

そのため、空売りで利益を得るには、株価の下落幅が大きくなければならず、コストとリターンのバランスを考える必要があります。

マーケットへの影響

最後に、フィリピン株式市場への空売り導入によるマーケットへの影響について考えてみましょう。

空売り導入によるマーケットへの期待は以下の通りです。

  • 資本市場を活性化し、小規模個人投資家が参加しやすくなる

  • 外国人投資家を呼び戻し、流動性を回復する

  • 他の金融商品や取引方法の解禁につながる

1.資本市場を活性化し、小規模個人投資家が参加しやすくなる

空売りは、市場の変動に対応できる取引方法です。

これは、資本市場を活性化し、小規模個人投資家がその取引活動に参加することを奨励するのに役立ちます。

小規模個人投資家は、大きな資金や知識を持たないため、市場の変動に弱いです。

しかし、空売りを使えば、株価が下落する局面でも利益を得ることができます。また、リスクヘッジとしても活用できます。

これによって、小規模個人投資家は市場に参加するモチベーションや自信を高めることができます。

市場に参加するトレーダー/投資家が増えれば、市場の取引ボリュームも増えます。

取引ボリュームが増えれば、市場の流動性も高まります。

流動性が高まれば、市場の効率性も向上します。

2.外国人投資家を呼び戻し、流動性を回復する

空売りは、外国人投資家にとっても魅力的な取引方法です。

外国人投資家は、フィリピン株式市場に不確実性がある場合、リスク管理のために市場から離れる傾向があります。

しかし、空売りができれば、そのリスクをヘッジすることができます。

CEICデータがまとめたデータによると、2018年から2022年にかけて約2750億ペソ(約49億2000万ドル)相当の外国資金がフィリピン株式市場から流出しましたが、これは2009年からの上昇分の大半が損失したと言われています。

その理由というのが、フィリピンにヘッジオプションがないことが挙げられます。

これでは外国人投資家はリスク管理のために市場から離れる以外に選択肢がありませんでした。

しかし、空売りができるようになれば、外国人投資家は市場に留まるインセンティブを得ることができます。

外国人投資家が市場に留まれば、市場の流動性も回復します。

流動性が回復すれば、市場の安定性も向上が期待できます。

3.他の金融商品や取引方法の解禁につながる

空売りの導入は、フィリピン株式市場の歴史的なイベントです。

これは、今後、他の金融商品や取引方法が解禁になる期待を持たせてくれます。

フィリピンでは、空売りだけでなく、インデックス、先物やデリバティブ、FX、オプション取引など一般的な金融商品が全て禁止されています。

これはフィリピン株式市場が世界的に遅れていることを示しています。

しかし、今回空売りができるようになることで、他の金融商品や取引方法もフィリピン株式市場に導入される可能性があります。

それらの金融商品や取引方法は、市場の多様性や深さを増やし、投資家のニーズや戦略に応えることができ、フィリピン株式市場の成熟度や競争力を高めることにつながります。

まとめ

フィリピン株式市場で空売りが可能になることについて解説しました。

空売りは、株価が下落すると予想して行う取引方法です。これまでフィリピン株式市場では空売りが禁止されていましたが、ついに解禁されることになりました。

しかし、その開始日は当初の10月23日から11月6日に延期されることになりましたが、その理由はフィリピン国内証券会社がシステムを準備するための追加の時間を必要としたからだそうです。

空売りにはメリットとデメリットがありますが、空売りによるマーケットへの期待は資本市場を活性化し、小規模個人投資家が参加しやすくなることや外国人投資家を呼び戻し、流動性を回復すること、

さらに他の金融商品や取引方法の解禁されるのではないかと期待が高まります。


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