Swingによるデスクトップアプリケーション開発（No2.BMI診断）-JavaSE1.8

Java8のSwing環境でデスクトップアプリケーションの開発方法を学ぶ講座をシリーズで提供しています。２回目はWindowBuilder（Swingデザイナー）を使ってBMI診断アプリケーションを作成します。BMI診断とは身長と体重からボディマス指数（BMI）を算出して体型（肥満度）を診断するものです。

2024年9月よりECLIPSEのバージョンを最新版（Version: 2024-06 (4.32.0)）に変更しました。

外部設計

WindowBuilderのSwingデザイナーで図1のようなGUIを作成します。

図1．HealthCheckアプリケーションのGUI画面

内部設計

処理ロジック

BMI診断ボタンをクリックすることでアクションイベントが発生し、BMIを算出する処理ロジックを実装したメソッドが起動する。

BMI処理ロジック
1.BMI値を計算する。
　BMI=体重(Kg)÷（身長(ｍ)×身長(m)）※新著の単位はcmではなくｍである

2.算出したBMI値から次の基準で体形（肥満度）を判定する。
　BMI値が18.5未満の場合は体型は「やせ型」
　BMI値が18.5以上で25未満の場合は体型は「普通」
　BMI値が25以上の場合は体型は「肥満」

実装準備

プロジェクトの作成

Eclipseのメニューバーより
ファイル→新規→Javaプロジェクト→「HealthCheck」プロジェクトを作成
→図2の内容で設定する

※以下画面のスクリーンショットはライトテーマで取得します。
（ライトテーマの設定方法）
Eclipseのメニューバーより
　ウィンドウ → 設定 → 一般 → 外観 → ルック＆フィール → ライト
　→ 適用して閉じる → Eclipseの再起動がかかります　

図2．HealthCheckプロジェクト設定

※作成済みであればこの処理は必要ありません。

実装

ひな形の作成

WindowBuilderを用いてSwingアプリケーションのスケルトン（骨格）を自動生成させます。

Eclipseパッケージ・エクスプローラより
HealthCheckプロジェクトを右クリック→新規→その他 → WindowBuilder
→ Swingデザイナー → JFrameを選択 → 次へ

図3．JFrameウィザードの選択

以下の内容で作成
　　パッケージ：jp.ict.aso.swing
　　名前：HealthCheck

図4．Swingアプリケーションの生成

GUI実装

自動生成されたプログラム（スケルトン）からGUIのデザインを実装します。

①画面中央下部にあるデザインタブでソースコード編集画面からSwingデザイナーに切り替えます。

図5．Swingデザイナーに切り替え

②contentPaneのLayoutプロパティをBorderLayoutに設定します。

図6．コンテントペインの設定

③contentPaneの「North」の位置にGUI部品のJPanelをパレットから配置します。JPanelのLayoutプロパティはGridLayoutとします。

図7．JPanelの設定

④JPanelのLayoutプロパティを ＋ マークから展開しcolumnsを3に、rowsを2に設定します。

図8．列と行の設定

⑤JPanelにGUI部品のJLabel、JTextFieldを順番にパレットから配置します。それぞれのtextプロパティを図9のように変更します。

図9．ラベルとテキストフィールドの配置とテキストの設定

⑥contentPaneの「Center」の位置にGUI部品のJLabelをパレットから配置します。あわせてtextプロパティも「BMI診断結果？」に変更します。

図10.BMI診断結果ラベルの配置

⑦contentPaneの「South」の位置にGUI部品のJButtonをパレットから配置します。あわせてtextプロパティも「BMI診断実行」に変更します。

図11．BMI診断実行ボタンの配置

⑩ボタンにイベントリスナーを対応付けます。パレットのSwingActions内にある「新規」のリスナーを選択してボタンをクリックすることで対応付けられます。

図12．イベントリスナーの対応付け

イベント実装

ソースタブに変更します。

図13．ソースタブに変更

①「BMI診断実行ボタン」のイベントのソース部分を変更します。

図14．BMI診断実行ボタンのイベント内容

②フィールド変数を変更します。//kokoの部分を追加します。

図15．フィールド変数の変更

③ローカル変数の宣言になっている部分を変更します。//kokoの部分を変更します。

図16．ローカル変数の宣言変更

④実行確認します。エディタの画面内で右クリック → 実行 → Javaアプリケーションで実行されます。

図17．実行方法

⑥BMI診断実行ボタンのクリックで結果が表示されるか確認します。

図18．BMI診断結果の表示

ここまでの実装ではいろいろと不具合があるようです。
とりあえず「タイトルがない」「画面の大きさが任意に変えられてしまう」の２点を修正します。

実装変更

①フレームにタイトルを追加します。//kokoの部分を追加します。

図19．タイトルの追加

②画面（フレーム）の大きさを固定します。//kokoの部分を追加します。

図20．画面サイズの固定

③実行して動きを確認します。これで完成しました。

図21．BMI診断アプリーケーション完成

単独起動

実行可能JARファイル

①せっかくですので、単独で起動できるアプリケーションにエクスポートしましょう。Java1.8以上のJREの環境がWindowsのPCにインストールされていればダブルクリックで起動できます。

Eclipseパッケージ・エクスプローラより
HealthCheckプロジェクトを右クリック → エクスポート
→ Java → 実行可能JARファイル → 次へ
→ 以下のように設定する → 完了

図22．実行可能JARファイルの設定

以下のような警告が出る場合がありますが、気にしません。

図23．警告ダイアログ

作成されたjarファイルをダブルクリックするとカレンダーが起動します。

図24．実行可能JARファイル

最後に

以上でSwingデザイナーを使って身長と体重からBMI値を計算するデスクトップアプリケーションを作成できました。

次回は、外部クラスを利用してカレンダーを作成するGUIプログラムを作成します。