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BENTO BOX

毎日、鎌倉の仕事場には自作の弁当を持参している。極寒でも、酷暑でも外で食べて気分転換し、昼寝して午後を迎える。そんなルーティンを大事に思うから、早く寝て朝4時半には起きて南部鉄釜で米を炊き、いただきものの、昔ながらのしょっぱい梅干しを中央へ。

ご飯の器は奈良井宿の「小坂屋漆器店」が手がけた曲げ物。鎌倉「もやい工藝」創業者、久野恵一さんが店主、小島貴幸さんに依頼して生まれたオーバル型だと聞いて確か6、7年前に長野県の手工芸品オンラインサイトで入手した。冷めても美味しいとはいえ、さすがに日の丸弁当だけでは寂しいから、おかずはIKEAのタッパーに容れていく。こちらは電子レンジで温められるけれど、面倒でまだ一度もしていない。そんな大雑把な自分でよかった。

曲げ物は拭き漆を施している。そのさらっとした風情が好みだけど、10年近く毎日使い、洗剤なしで優しく洗っても漆が剥げてくる。白い木地が見えてきたら『すぐ塗れーるMR赤漆』でリペア。ちゃちゃっと手軽にできるから、ものぐさな自分でも修繕を継続できている。ボテっと厚めに塗った跡が一目瞭然だけど、その素人らしい粗々しさも気に入っている。

箸は湿気に強い福井・若狭の乾漆箸(朱色・小)を使う。これは「もやい工藝」で購入。長く愛用できる器と箸がぼくの日常を健やかに支えてくれている。これからも治しつつ大切に使っていきたい。

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