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ときどきポコパン

パンが朝食に欠かせないマイ食卓では、食パンのストックをきらすことは憂鬱な状況となる。その事態を避けるべく、こまめに補充しているつもりだが、町内の「ポコパン」に用事があって週末に向かえない場合も多々ある。また、行けたとしても人気店で開店直後に完売したり、臨時休業のケースも。

店が開く10時には行列に努めて並ぶよう心がけているけれど、まとめ買いの先客がたまたまいたら順番がまわってきてもお目当てのパンがSOLD OUTになり、失意のまましょんぼりと手ぶらで帰る日もある。

温暖な葉山といえど多少は肌寒くなり、パン食の欲がいっそうと増す秋以降は競争率が相当に高まりそうだが、昼近くまでたくさんのパンが残る日もたまにあるもんだから、他客の動向はまったくもってして気まぐれで読めない。

一喜一憂する週末の運試しよろしく、先日の日曜日も店の扉を開く。

少し出遅れたから期待しないよう覚悟していたが、かろうじて全粒粉の食パンを1個求めることができてやっぱり安堵。

いつものように店主のサダカネさんに5枚切りしてもらう。そのそばで瞬く間にすべてのパンが完売間近な陳列棚を眺め、溜め息混じりに「本当、読めないですね」と呟いたのは、毎週通うような常連でもない男としては身勝手で、未練がましい言動だったかな。

朝食毎に2枚は口にするから家人のぶんも含めると保って二日だろうが、まずはトーストして北海道の無塩バターと湘南製餡の『小倉トースト用粒餡』を乗せて味わい、先々を考える。今週も仕事帰りに近所のスーパーでそれなりの食パンを買い足しに寄ることになるが、この妥協と「浮気」は許して欲しい。これでなきゃ的な決めつけは課していないし、何ごとも、そのときどきで別の選択肢、余地を残して落胆をさっと忘却するのが自分らしさだから。そんな適当さで、のらりくらりと過ごしていきたいな。

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