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野草:今、ここで生きてる

どんな状況、環境にもしなやかにアジャストして、たくましく生き抜く野生の植物に強く惹かれます。こうして自分もしぶとくサバイバルしていきたい。そんな願望を重ねての羨望なのかもしれません。

最近出会ったタフな植物は職場近くの海岸に自生する多年草『タイトゴメ』。葉山層の地層が剥き出しなワイルドな岩場の上やその窪みに溜まる浅く砂混じりの土に茎を這わせています。

今の時季は赤と緑の肉厚な葉が繁茂する姿はインパクトがあり、眼が惹きつけられますが、テリトリーはごく限られていて、他の種との競合を避け、慎重に息をひそめて生息しているよう眼に映ります。その控えめな生きざまに高い知性を感じて、少しだけ家に持ち帰って育ててみたくなりました。極度に乾燥し、潮風に晒される住処は人間からすると過酷に思えますが、一日中波音を聴き、オーシャンビューの絶景を日々楽しむ彼らとしては、このままそっとしておいて欲しいのかもしれませんが。

ロンドンのプロダクトデザイナー、ジェームス・アーヴィンが手がけたアラビア社のフラワーポッド『earth』に納めてしばらく静観。

ジーッと眺めていたら、ふと思い出した。このタイトゴメ、15年前に竣工した家の屋上緑化を自身で施工した際、緑化のエースとして採用を検討したことを。あのとき、なぜ植えなかったんだろうと改めて首を傾げながら、よし、近々に実行しようと決めました。

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