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stand M
今月から逗子にまた夢のように心地よい一軒がオープンした。
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水道道沿い。京急の線路脇に立つ小屋。ヴィンテージ・トタンのエクステリアに惹かれ、ときめいてしまう。オーナーはこの建物で焼き鳥店「丸久」を営む人。
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旅先で漁師がコーヒースタンドでくつろぐ姿に魅了され、そのイメージで店を開いたという「stand M」。アートへの感覚が鋭敏なのだろう。スナップで携えるぼくのブルーグレー色なライカM-Eを観て、その造形的佇まいだけで酒が呑めると讃えてくれた。店内には逗子に暮らすイラストレーター布施月子さんの作品が展示販売されていた。岩絵具による動物画。どこかで観た気がしたが、雑誌ESSEの連載記事『白崎茶会の3時の優しいおやつ』の挿画を彼女が担っていたのだった。優しく繊細なタッチがとても佳い。
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コーヒーを淹れるのは横須賀久留和海岸で知り合った原田 崇さん。夕方からは丸久で働いている。コクとフルーティさを合わせもつ中煎りの特徴的な豆でドリップ。素晴らしく美味しく心鎮まった。ちなみにこの豆も知人が焙煎。コーヒーをめぐる良縁でこの快楽空間に引き寄せられた。
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キントーのダブルウォールグラス『クロノス』、地元アーティストにロゴデザインを依頼したオリジナルマグカップ、美しく煌めくエスプレッソマシーン、きれいに整え清掃された席。原田さんの美意識と誠実さが什器から見てとれた。
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北海道の放牧豚を素材にしたホットドッグが旨すぎてじーんと感動。
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ブルックリンビールを昼呑みしながらというのもアリ、というか最高じゃん。
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隣りのファッションセンター「JARI」の裏庭にも席が設けられている。逗子ならではのフレンドリーな共有感、曖昧な境界が素敵。脇をときどき逗子・葉山駅発着の京急が走る。ちょっと江ノ電沿線に似た楽しきムード。
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呑み終えて原田さんと立ち話していたら、JARIに馴染み客らしき女性が自転車で乗りつけた。ENE CICLOの完成車『FLAT1』。格好いいパーツと敢えての崩し意図とのバランスが秀逸な一台。こんなグッドセンスにさらっと触れられるんだから逗子はたまらない。葉山の家にこもらず出かけてよかった。近々に丸久も訪ねたい。
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