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冬のハンモッカー
遅ればせながらハンモック・デビューを果たしました。野外初、しかも厳寒期の2月に。自分でもつくづく酔狂な男だと思いますが、何しろこの時季の近所の森やトレイルには蜂や蚊が飛んでなくて行手を阻む蜘蛛の巣も無い。散策しても汗をかかないし、バードウォッチャーは皆無、すれ違う低山ハイカーも少なめ。自分には良いことだらけなベストシーズン。木々に囲まれ、ハンモックでゆらゆら憩うのは真冬に限るんじゃないかと夢想してしまったんですね。
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で、入手したのは北米eno社のウルトラライトなハンモック『Sub6』と、ビギナーでも超簡単にハンモックを木に吊るせる同社の軽量コンパクトな『ヘリオスハンモックストラップ』。サイトでamazon、楽天、Yahooショッピングの並行輸入品で最安値を比較検討し、日本代理店の正規品定価よりかなり安く買えました。
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どちらも手のひらに収まるサイズで軽快、気軽なバイキングにうってつけ。サッと取り出してすぐに張れて、仕舞うのもあっという間。『sub6』に至っては収納袋が一体になっていてハンモックを張っているときは袋がスマホやボトルなどを収めるポケットとして機能。空気みたいに軽い袋もうっかり紛失しないし、その便利で気が利いた合理性にアウトドア・アクティビティ大国の叡智を感じちゃったりします。
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家で葉山一色「THE FIVE BEANS」の超深煎り(イタリアンロースト)豆『ROB』を挽き、特別に濃いコーヒーを淹れ、毎日愛用しているMiiRの保温ボトルで携え、目指すは葉山町内を流れる森戸川の源流地。まずは街からの入り口となる林道そばにある天然酵母パンとドーナッツの大好きな店「earth7716」に寄り道。ハンモック上で熱いコーヒーとともにいただく、おやつ兼昼食になるドーナッツとプレッツェル(どちらも予約がベター)を買います。
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街でも森でも、海でも美味しいお目当てが無い散歩なんてぼくには考えられないんです。
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そして源流地へ。ちょっとした河原になっていて暖かな時季には高確率で家族連れなどの先客がいたりするのですが、この日は無人。ラッキーと喜び、ハンモックを張れそうな木を探します。
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いちおう逗子図書館でHOW TO本の『ハンモックハイキング』(山と渓谷社)を借りて眼を通してきたので不安はありません。
動画ではTRAILS制作のこちらの動画が参考になると思います。張り方の基本3つを事前に知っておくと現場でスムーズではないかと。
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①木と木の間隔は手を目一杯広げた長さの2倍、4〜5mほど。
②ツリーストラップの高さは目の高さくらい。
③木とツリーストラップのラインの角度は30度 (親指と人指し指で三角形をつくるとだいたい30度になる)。
『sub6』と『ヘリオスハンモックストラップ』で初めてウルトラライトなハンモックに興じる、この女性ハイカーの動画にもドーンと背中を押されましたね。
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パタゴニアの初代トレイルランニング用リュックにパッキングしたもの。オレンジのスタッフサックにはハンモック休憩と山中歩きの防寒用にワークマンの『リペアテック 洗えるフュージョンダウンショートパンツ』が収まってます。我が家ではサイズ違いで持っているお気に入りのウェアです。ほかに自撮り用にとライカの小型高性能なテーブル三脚などなど。茶色の紙袋には買ったばかりの「earth7716」のパンとドーナッツ。荷物ぜんたいで半分もドリンクとフードが占めるのが自分らしい(笑)。
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果たして、本当に設置は容易かったです。たぶん1分もかかっていない。ただ木の間隔が4m弱と基本より短かったし、そのぶんなのかな、ストラップの幹へのかかり具合もユルユルな感じで一瞬不安を覚えたんですが、ハンモックに乗るとテンションがかかってしっかり固定できました(寝転ぶ前にそうっとハンモックに腰掛けつつの確認が大事)。ストラップも眼の位置より高めに掛けたら自分の場合はより快適でした。その場の状況によって基本をカスタマイズして微調整していくもんなのでしょうね。
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このハンモックは超薄いのですが、伸縮性抜群に身体にまとわりつくようにフィットし、触感もすごく心地よい。通気性も優れるから地面からの冷気を透過して背中はひんやりしますが、夏はずいぶん涼しく憩えそうです。冷えを和らげるハンモック用キルトの購入も検討しましたが、短時間しか休まない自分の用途には不要かな。なにしろ真冬とて豊かな常緑樹の森は体温を奪う風をガードしてくれて意外暖かい。濃緑の色味も視覚を通じて心象に作用するんでしょう。まして晴れた日の木漏れ日を頭上から浴びたりしたら、まことに快適そのもの。川のせせらぎを聴きながらゆらゆら、うとうとしちゃいました。ハンモックに身体を預けたあとに訪れる圧倒的な静寂。あの独特の静けさに、ただ歩いているときの動的な空気感とは異質の深い深い鎮まりを感じます。聴覚が鋭敏になって小鳥たちの声もいっそう耳に届くような。
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ハンモックで安息したら、トレイルに分け入り、仙元山を越えて住居がある葉山一色へと帰ります。三浦半島随一の低山連なり地帯「三浦アルプス」のハイキングコースのひとつで、よく歩いているのですが、毎度侵入ルートを忘れてしまうのでアプリのYAMAPにマップをダウンロードし、iPhoneのGPSを頼りに進みます。この山は携帯の電波が届かないので、YAMAPを上手に活用すると安心ですよ。
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トレイルのそこしこに生えてる蔓を拾って何か作ろうかな、なんて思い浮かべつつ、次回のハンモックな休日をイメージ。こんどは、さらにカジュアルな我が家の裏山で楽しもうかな。超簡単なハンモックを初体験して、ハンモックは日常の延長にある手軽な遊びだと実感。だいぶ遅れてきたハンモッカーですが、これからはいろんな場所に携行してさまざまな憩いに活用していきたいと思います。
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