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mossで昼寝
鎌倉ほどではないにしても黄金週間の葉山は観光客で大賑わい。基本は家にこもって安息に徹したくとも堪え性のない自分は飽きてしまって、以前から企んでいたプランを実行。90年代に入手した米国moss(モス)のコンパクトなタープ『The Tent-Wing』を持ち出しての昼寝を楽しみました。
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場所はこの連休中も観光客は皆無。犬と散歩する地元民がちらほらのビーチ。葉山町との境に位置する横須賀市秋谷の某海岸。すぐそばには大きなパーキングもあるのに歩いて来るビジターはまず目にしない。その海際に立つレストランを利用した都会からの客が恐る恐るという感じ。ぼくだってビジターとしてお邪魔するわけなんだけど、この静穏なムードに強く惹かれ、ふだんも仕事帰りに寄って憩ってはローカルの一員になったかのような気分を味わっている。
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タープと折り畳み椅子をL.L.BEANの『グローサリー・トート』に忍ばせると、けっこうな重さになる。バイクで運ぼうかなとも考えたけど、酒を呑んで昼寝したかったため歩いて行くことにした。
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シーカヤッキングの雑誌を制作していた時代、ビーチでのキャンプシーンを美しく撮影したいなと思って自腹で購入したタープ。プライベートでは出番は少なく、20年以上屋根裏に放置していた。それを引っ張り出してきて再び張ったのは一年前くらいだったかな。
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そんな活用頻度だから設営にはまごついてしまう。発売当時のカタログ資料をiPhoneに貼り付けて、観ながらどうテンションをかければ優美なカーヴを描くか探りながらのトライを重ねてどうにか完了。
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きちんと張れたときのmossのシルエット、フォルムは芸術的で素晴らしい。惚れ惚れとするエレガントさだ。
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砂の上に礫(川石などの小さな砂利)が敷き詰められた養浜。そこにペグを打ち込むにはmoss付属のアルミ製品では心もとなかったので、ダイソーで100円の頑強な鉄製ペグ(長さ20cm)とミニハンマーを買っておいたが、なかなか役に立って良かった。ただ礫にはしっかり留まったが、砂地ではぐらつきがあったから、さらに長い30cmのペグがより有効かもしれない。近々な買い足しておこう。
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このビーチは海を渡る強い風にさらされるケースが多いからタープのポールもアルミの付属品ではなく、太くて重く剛性感高い鉄製のDOD社製品に代替え。『The Tent-Wing』はテントの入り口に被せて使うのが主目的だからポールも一本しか付属していない。DODのは2本セットで長さも連結しだいで自在になる。これを前方に3連結、後方に2連結して留め据えた。
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鮮烈でマットな赤色がmossタープの縁取り色とよく馴染み、いっそう映えるのではと自己満足。実際、気分昂る色彩で、かなり魅力的な色合いだと思う。
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強風に煽られながらのセッティングが無事できて想い描いた通りの出来栄えに安堵してライカで記念スナップ。纏っているのは東逗子「itallife(アイタルライフ)」のベースボールTシャツと『GFパンツ』。抜群に着心地が良いからリラックスしたいときに最高なんですね。頭には羊毛をフェルト化した妻のハンドメイド帽。「未来少年コナン」でハイハーバーの島民が被っているのに似たかたちがお気に入り。フェルトは冬暖かく、夏は涼しいんですね。
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天幕の下で本格的にくつろぐ前にビーチコーミング。波と風でエイジングした木材、加工品をいくつか直観働かせてつつ、サッと拾って、こんどは何を作ろうかとニヤニヤ。自分にとってこの浜は素材の宝庫なんです。
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あとはタープ奥の日陰に座ってひたすら安息。近くのミニストップで買ってきたイタリア・キャンティ地方のお値打ち赤ワインを開栓。イタリアで最上位等級(DOCG)に認定された一本なのになんと858円。この4倍以上の値段するナチュールの方がより旨いし、心身が気持ちよくなるのはわかってはいるんだけど、自分に相応しいのはこのデイリーなワインかな。
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ほろ酔いでうとうと。正面の無人島や寄せては返す白波をただぼんやりと眺めて快楽に耽ります。
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こんなシチュエーションではハンティング後やキャンプでの休息靴として産まれたL.L.BEANの『ラバー・モカシン』がピッタリ。ただこの靴は自分が幅広サイズを選んだこともあってぶかぶか。くつろぐ場までの歩行時には相当ぶ厚いソックスが必須となります。歩きずらさがあっても今回の憩いでは履いて行きたかったので、イラン・マースレー村の手編みルームソックスを修繕しておいたのです。まさにベストマッチングの履き心地。直しておいて良かった!
身体をふんわりほんのりと包むようなタープの適度なシェルター感、包みこみ過ぎない塩梅がナイス。タープ後方の幕に頭がちょうど触れるくらいの高さが絶妙ではないかと。
昼下がりから半日、ここで昼呑みしながらのうたた寝を愛で尽くし、夕飯の時間に浜から去りました。
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日没直前の斜光に照らされるビーチタウン。まだまだたむろしてる観光客を横目に、葉山一色海岸をふらふらと千鳥足で歩く酔っぱらい。
うーむ、本来の嗜好としてはミニマル傾向が濃く、なるべく軽やかに折り畳み椅子だけ携えてのチェアリング派なんだけど、幕一枚でこれほどまでに気持ち良さが増し増しになるのかぁ。タープ活かしのチルアウト、今年は機会が増えそうですぞ。
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