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北京の花巻

100gの小麦粉でさまざまな料理のレシピを紹介するウー・ウェンさんの『北京小麦粉料理』。

その気軽さに誘われて、休日のおやつとして北京の蒸しパン『花巻』をつくる気になった。レシピは面倒と感じさせないことも大事だが、材料が家に揃っていたり、無くても代用が可能だったりすると着手を促してくれる。

たまたまドライイーストや胡麻油などがあったので、縁と思いこみトライした。小麦粉をこねるのは大きな台でなくてもまな板で充分。蒸すのも専用の蒸し器ではなくパスタ鍋で。薄力粉と強力粉を50gずつ混ぜたり。材料とやり方をそれなりにアレンジしつつ進める。ひたすら手をぐいぐい、ぐるぐると動かし、こねまくる単調な時間に無心となり、同時に深く心安らぐ。この料理は自分には向いていると思った。 2度の発酵でうまく生地が膨らまなかったのは小麦粉のブレンドか、室温の低さか、次回に失敗理由を省みて対処しよう。

不器用だから成形はテキストほど美しくないが、なんとなくまとまった感じ。口に運んだら豊かな弾力に驚いた。自分史上最高のモチモチ感。蒸したてならではの食感なのだろう。お店ではなかなか味わえないであろう美味しさにじーんと達成感を覚える。世界一の美食大国、中国の深遠なる食の歴史にも想いを巡らせた。

花巻に合わせたドリンクは近所に暮らす薬膳・発酵料理家、山田奈美さんが考案した『豆みそチョコココア』。冷蔵庫に材料となるココアパウダー、チョコレート、豆乳、八丁味噌があったので作る気になった。独特な癖ゆえに減らない八丁味噌がチョコレートとココアにこれほど合うなんてびっくり。砂糖未使用なのにコクと甘さがたっぷり。おまけに身体も冷えないと佳いことばかり。厳冬の今月はちょくちょく味わおうかな。

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