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逗子海岸を通って
鎌倉の仕事場への足はクロスカブ。葉山一色から逗子の海岸沿いの道を通って毎日向かう。ホンダのCMに「バイクを知らない人生なんて」と謳うものがあったけれど、夏の晴れた朝はまさに実感。風を切って爽快感に包まれ、瀟酒なビーチタウンを駆け抜ける心地よさといったら。ハワイ、ホノルルの朝に通じる快楽的な空気と光に心から酔いしれてうっとりしてしまう。
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逗子海岸を望む裏道「黒松通り」にはかつて界隈に繁っていた立派な黒松の面影が残る。
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そんな一昔前の景観について地域コミュニティ誌の記事制作(下のpdf内『逗子なぎさホテル』)で地元の建築家や郷土史研究家に聞き取りしたり、貴重な写真を借りたり、湘南エリア専門誌で飲食店や家の取材をしたり、造園会社で働いて裕福な個人邸の庭を手入れしたり。バイクで駆け抜けながら記憶の深層が蘇ってくる。
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懐かしみながら仕事の帰路になごみたい店もあるが、営業時間と帰宅時間が合わず、なかなか願いはかなわない。かと言って、海岸通りが観光客の車で渋滞する週末にわざわざ出かけようという気分にはならない。ぼくにとって逗子との関係はそんな微妙な距離がある感じ。ただ、朝6時半から開いている海辺のベーグル店があって、たまの土曜出勤の朝は寄ってみてみようかなとぼんやり夢想中。
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