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山桃シロップの季節
梅雨時季恒例、山桃が一斉に甘い実を落とし、地面を真っ赤に染めている。鎌倉の仕事場の山桃は例年になく大きな実を実らせて豊作。雨多き今年6月の天候が作用したのか、あるいは昨年の剪定が良かったのか。そろそろすべて落下しそうな気配だったのでグランドカバーを敷いて竹竿を枝に振り当てて収穫した。踏んでしまうとこびりついて熊手掃除が難儀だからだ。
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捨てるのは忍びないから1.5kgほど持ち帰った。実は柔らかく傷みやすいので帰宅して作業着のまま何度も優しく水洗い。ひと粒ずつヘタと水気を取る根気要する作業は所要2時間半。掃除も大変だけど、活用も面倒なのだ。単調作業を黙々と嬉々とできる人向けの果実である。
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ホワイトリカーと氷砂糖に漬けるのが手軽な活用法だけど、両者を買い出しに出かける気力がなく、昨年同様シロップづくり。砂糖とともに煮詰め、アクをひたすら取るだけ。
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殺菌した瓶に注いで冷やせば出来上がり。砂糖を多めに加えると少しは冷蔵庫で保存可能かな。美しいルビー色した液体は炭酸で割って呑むのが好み。好き嫌いがはっきりわかれるエグ味あるワイルドなテイストをこの梅雨も楽しめた。もう一年経ったかとしみじみ感じる、ぼくにとっては風物詩的なオリジナルドリンクだ。
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