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I LOVE 海岸植物

潮風にさらされ、極度に乾燥し、水分は皆無に等しい。ビーチは植物の生息環境としては地球最悪かもしれない。でも、そんな過酷な場所であえて根をおろすスーパータフな植物が居る。

本当のところは人間にはわからないんだけど、他の種との生存競争を避けるべため、なるべく他のなわばりとバッティングしない地を選び、台風などの大波で一夜にして全滅のリスクを背負いつつ、種の継承と拡張を計っていると推察されてる。

そのギリギリのところで生き抜くだけでなく繁茂もするたくましさ、したたかさに、ぼくは強く惹かれる。「やられてたまるか!」という強靭な意志を感じて勇気をもらえる気がするから。養浜された近所のビーチには敷き詰められた礫の間から「ツルナ」がそこかしこに伸び出ていて圧巻の生命力に驚嘆してしまう。この植物は海のサラダとも呼ばれ、葉がとても美味しいと教えてくれたのは自宅ニ軒隣りの漁師。庭で育てているツルナを分けていただき、少し茹でて味見したら、クセのない美味しさ、柔らかな食感になるほどと唸った。

ビーチでは小石の間から葉のみが露呈し、横方向に茂っているが、家に持ち帰って植木鉢に一部を移植したら潮風の脅威がない無風の室内ではひょろひょろと縦に伸び始めた。水分の乏しいビーチでは葉を厚くして貴重な水分を貯めこむが、ぼくが毎日水やりすると、たちまち葉が薄くなり、そこらに生える雑草に似た風貌に。漁師はもともとの環境、塩分多い砂に植えないと駄目と話していたが、園芸用の土にも適応するようだし、臨機応変な生き様にまた魅せられた。すくすく順調に伸びたところでまた試練。ひとまわり以上大きな鉢に植え替え、南を向き、海風が吹き通るベランダに出して栽培の第二段階へ。翌日にはまた地面を這い始めた様子にまたまた感心し、いったい人の手でどこまで生育していくのか野生の行く末を直視、観察していきたい。

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