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一輪挿し

花を生けるのは難しいし、自分にとって不可侵な愉しみだと思っていた。その観念をゆるりと解いてくれたのが「かなテクカレッジ西部」で庭園エクステリア施工の技法をともに学ぶS先輩。彼女は毎週、教室内の花器に庭の草花をさらりと自主的に挿している。

野にあるままのごとく、ごく自然とおさまる景色に場の空気が和む。今は庭の奥にあったという黒椿。

益子の陶工、粕谷完二さんの一輪挿しから立つ姿は彼女の風雅な日常を映しつつ、とりたて主張することなく眼に心地よい。我(が)を感じない佇まいに心奪われ、基本を教わり、草花へを慈しむ深い愛情に触れた。

朝、学校に着いてから敷地内のハルジオンを摘み、実習場でそっと挿す。その一連の所作に心鎮まり、安らいだ。一輪挿し、気軽に継続してみようかな。

今週末には卒業するS先輩との出会いに深謝。しばらく顔を合わせていない粕谷さん(写真は10数年前のもの)にも会いたいなぁ。造園の仕事に就けたら益子を旅しよう。
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