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子安の小屋

日産の東神奈川営業所へ電気自動車LEAFの点検を出しに行く。場所は東京湾から海水が流れこむ子安運河そば。点検の待ち時間に近くの富士見橋から常磐橋にかけて漁村界隈を歩いた。

前回訪ねたのは20年ほど前。運河沿いと船上に小屋が立ち並ぶ風景は当時のままのように思える。

東京湾を漁場とするアナゴ漁師は減っているものの、今は屋形舟の置き場としても舟着場が活かされているようだ。

小屋は単なる作業場や道具置き場としての役割にとどまらず、生活の気配が漂うのが佳い。

実際に水上の小屋で暮らしている人も居るのだろうか。ぼくが生まれ育った佃島には東京湾と隅田川を結ぶ朝潮運河に浮かべる船で生活を営む人がいて、ぼくは汽水域と一体となった自由で快楽的な生きざまに憧憬の眼を向けていた。半世紀前のライフスタイルがここには現存しているのだろうか。

水辺の集落も古い木造家屋が密集し、地域の風土性は保たれているようだ。長屋街がごそっと撤去され再開発に侵略された佃島とはまるで違う。横浜の気概残るこの漁村に足を運べば、かつて心安らいだ情景にいつでも会える。願わくば、ずっとそうであって欲しい。

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