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土に触れる
2週間ぶりに土と植物を触れねばと考えたのは、見習い中の自分が植木仕事の現場へ無事戻れるのか不安に苛まれたから。なにしろ毎晩、現実と同じく失敗ばかりでひたすら叱咤される夢に魘された。冷や汗をかいて連日起き上がる正月休み。深層心理の闇が表出し続けたから年明け初日の仕事前日は緊張感が極まってきた。
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そんな弱気を和らげたいと願い、ベランダに長年放ったらかしにしていた多肉植物オブツーサを机に飾り移した。器はフィンランド、アラビア社の『AIR』。2001年に英国のデザイナー、ジェームス・アーヴィンが手がけ、販売した直後に入手したまま庭に転がっていた物だから20年ぶりに活用していることになる。この工業製品特有の味気なくクールな白無地の景色が今の自分をほどよく鎮めてくれる。
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