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三浦一族的ピクニック

昨日は三浦半島芦名、秋谷、葉山の山々をつなぎ歩きながら20kmほど山歩。ピクニック気分で気軽に歩ける低山でハイキングビギナーにはうってつけだが、途中、自分らしくマニアックなトレイル経由を差しこんでみた。

まずは葉山一色から国道を南下。芦名、浄楽寺・春の御開帳で運慶仏像5体を拝観。精緻な写実と美しさ極めた運慶の表現。さほど並ぶことなく佳い意味でコンパクトな空間にて、あんなにも間近に濃密に圧巻の仏像をいっぺんに眺めたのは初めて。世界的にも稀有な体験を地元でできる、さりげなさ過ぎる奇跡に感じ入った。改めてゆっくりゆったり観たいから個人予約して再訪しようかな。ちなみに運慶作と明らかになったのは、昭和34年に仏像研究家・久野 健さんの調査によって。

自分と同じ姓の人物に縁を感じ、「鎌倉殿の13人」の一人で、この地をおさめた三浦氏一族、和田義盛が奥州征伐に際して戦勝を祈願して造作させた像を眼のあたりにした高揚感に包まれ、いざ大楠山ハイキング『大楠芦名口コースコース』へ。と、その前に登り口近くにある「Sol table select」でランチを、その向かいのファミリーマートでドリンクを調達。

あとは、ひたすら花を愛でつつテクテク。山頂手前で『湘南国際村コース』に入って、「めぐりの森」を経て国際村を縦断し、秘密のトレイルを抜けて秋谷と葉山にまたがる峯山へ。

ここを歩くのは3年ぶりだろうか。鬱蒼と草茂り、続々と倒木が遮る狭い泥土道を進み、ランチタイム。

「Sol table select」開店のタイミングを計って寄ったのは、完売必至のベーコンエッグサンドとバナナタルト(各400円)をどうしても食べたかったから。こんなに美味しくてボリューミーなのに安い。この誠実な商いと味わい、運慶仏像に並んで芦名の宝物だと心底思う。

ファミマで求めたのは赤ワイン『タヴェルネッロ・ピッコロ ロッソ』。ピクニックの携行に便利な紙パックで315円のワインがコンビニで買えちゃう、いい時代になったもんです。ほろ酔いで山歩を続行するには250ml、グラスワイン2杯ぶんの容量が自分にはちょうどいい。絶妙なあんばいでしょう。パッケージを手にそのまま口に運べるけれど、ちょっと味気ない。MiiRのステンレスカップを忍ばせてきて大正解。

ぼくの家からも見える秋谷給水池の脇を通って峯山方面へ。

道から少し上がった場所に祀られている石祠。その佇まいに惹かれて、ついつい寄ってしまう。

秋谷・久留和地域に近づくと視界が開け、同時に劇的な陰翳に魅了される。

ここは天空の楽園。世俗と隔絶された快楽的景色が広がり、毎度ただ心奪われる。

下界にいったん降り、海を望む峯山のトレイルに進入。夢心地になってトリップ。ここは戦国時代の激戦地。武士は景色を楽しむ余裕なんてなく鎌倉幕府軍と対峙していたんだろうな。今日歩いたルートは三浦氏一族の要衝地的な道ばかり。

葉山・下山口側に進んだ所で気になる脇道を発見。急傾斜を上がってみたら、絶好のレストスペースが現れた。持参したeno社のウルトラライトなハンモックストラップを取り出しセッティング。

案外、三浦半島のトレイル上には広場が少なく、ハンモックを掛けられる木も少ない。だからこそ探し出せたときの悦びは大きいのだ。大楠山でも、今や焚火ストとして有名になったアウトドアライフアドバイザー、サヴォリの達人、寒川 一さんに15年ほど前、頂上近くで理想のハンモック・フィールドを教えてもらっていたのに、今回うっかり通り過ぎてしまった。

その場所はまた再捜索するとして、家からも視認できる位置で出会えてラッキー。ということはこの場からぼくの家も遠望可能ってことだもんね。次は双眼鏡携えて確かめようっと。

なんだか〆的なハンモックタイムになったけど、斜めから差す光の木漏れ日もまた美しくて心打たれた。秘密のとっておき、来週末も満喫したいな。

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