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黄色いアノラック

久しぶりの雨降りですね。乾燥しきっていた空気も地面も潤いを取り戻し、昨晩から湿度にともなう気温上昇。初春みたいな暖かさに戸惑ったりも。その一方で、数日雨が続きそうなので、年末に入手した合羽のいよいよ出番かとワクワクと心踊ったりも。

新調したのはフランス、GUY COTTEN社の完全防水アノラック。PVCコーティングした生地を縫製ではなく、熱処理で圧着し完璧な防風、防水性能を誇ります。そのぶんゴアテックスなど透湿素材に比して蒸れますが、とにかく雨に打たれる場面では身体を濡らさず、寒風をシャットアウトできる。バイクでの通勤着として使うのが主目的な自分には最適なスペックです。

袖もリブ形状で風水の侵入を許さない仕様。漁師の過酷な仕事だってしっかりサポートするワークウェアぶりに惚れこんで選びました。埼玉の古着店で新品がセールで1万円弱。

ちょっと贅沢かなと思いましたが、わずか1シーズンで縫製部の防水シールが剥離しちゃったワークマン製品よりは明らかに長く愛着できそうなので思いきって購入(笑)。

イヌイットのアノラック姿をロゴマークにしたこの漁師合羽はハリウッドの海難系映画にもよく登場します。以前、その格好良さに強く惹かれ、どこのブランドなのだろうとリサーチしたら、北米東海岸ロードアイランドでトラップフィッシング(仕掛け魚網)の漁をおこなう女性Corey Wheeler Forrestさんのインスタ投稿や映像作品に行きつきました。

うーん、日本製漁師合羽にはない洗練した雰囲気。たまらず眼と心が奪われちゃいました。

しかし、このブランドの日本代理店がまだ無いのか検索し始めた5年前には欧米から個人輸入するしかないのかなという状況でした。たまたま昨年末に何気なくネットサーフィンしたらあっけなくヒットしたので歓喜。その勢いのまま割引価格に納得しつつポチった次第です。

このアノラックに魅せられたのは機能性だけでなく色合い。この黄色の色味はフランス独特ではないでしょうか。大好きな映画監督ジャック・ドゥミもフランスの港町を舞台にした『シェルブールの雨傘』にて冒頭の7分間とエンディングシーンにこの伝統色「ジョーヌ・ドゥ・クローム」(クリームイエロー)を登場させています。ドゥミ流色魔術、色彩美の虜となったぼくはずっと黄色いアノラックを夢みて、ついに叶えたというわけなのです。

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