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裏山散歩

家の北方にそびえる三ヶ岡山を久しぶりに歩く。寒い冬の北風をさえぎり、常緑の林が眼と心を温め、美しい陰翳を室内にもたらす存在。ときどき感謝するようにこの低山を旧役場側から登る。

アプローチは麓のこみちに沿って。土曜日に出かけたのは途中の森山神社で朝市をやっているから。

出店者の「THE FIVE BEANS」のめぐるさんが作り売る『椿餅』をたまらく食べたくなったのが散歩の主動機。買いたくなるもの、食べたくなるもの、撮りたくなるもの。道中にこの3要素の欠ける散歩ほど自分には味気ないものはない。山の見晴らし広場で愉しみたくて持ち帰り用パックを持参。

竹林を横目に坂を上がる。道端の青い実と椿の鮮やかな赤と黄色に眼が留まる。光と影、その境目に茂る草木。絵になるからスナップしたくなり、ちょくちょく足が止まる。

植生は近くの三浦アルプスの山々とは異なるように思える。町内で際立って温暖な気候地域だからかもしれない。苔やキノコが多く湿度も高い印象。

よく整備されたトレイル。犬連れの人ともよくすれ違う。それほど楽々、快適に歩ける。

今日も富士山が顔を出していた。低山とはいえ、相模湾の海景はなかなか壮観。

買った椿餅と携えたほうじ茶でひと休み。

さらに真名瀬方面へ尾根を進むと、一ヶ所だけ冬限定の一色海岸ビュースポットがある。落葉樹の葉が落ちる時季は樹々越しに海とビーチを垣間見ることができる。

冒頭にリンクした指定管理者、三菱電機ライフサービスによる紹介サイトには一色海岸をクリアに見渡す写真が掲載されているが、実際にはうっすらと見える程度。春から秋にかけては茂る葉で景色は隠されてしまう。

真名瀬の急階段を降りて渚に出る。逆にこの真名瀬とあじさい公園を起点に登ろうとすると大変。しんどくてまるで別のハイキングコースという記憶が刻みこまれるかも。初めての人は要注意。

自宅のある丘まで山と海を観ながら歩く。その町道はお屋敷が並び、非日常感が満々。職場が庭手入れを担う家も多く、ふわふわの夢心地半分、仕事の思い返し半分。以前とは違う気分で家に戻る。

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