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JET STREAM再聴

70年代から80年代、陸上部のトレーニングを終えて帰宅し、深夜に毎日聴いていたTOKYO FMの『JET STREAM』。イージーリスニングの選曲と城達也の渋い声に心酔しながら、壮大なる空の流れ、偏西風のジェット気流に乗る旅客機。夜のしじまに遠い海の向こうの国に想いを馳せた日々が懐かしい。

つい先日、この長寿番組が現在も継続し、ライブのチューニングを逃した放送もアプリのradikoで楽しめると知り、再び聴くようになった。なにしろ日没後すぐ寝床に入る日常だから、24時からのオンエアーに合わせることは不可能。翌朝、ごはんを食べながら土間のダイニングに流し、追聴している。

冒頭とエンディングに囁くロマンティックな言葉は変わっていない。現ナレーターは福山雅治さん。はじめは大仰なトーンに馴染めなかったが、すぐに慣れた。心地いい音楽に差しこまれるのは旅の話。先週は文筆家、松浦弥太郎さんの旅紀行『居心地のいい旅』より、北米マサチューセッツ州ブリムフィールドの骨董市とマンハッタンのカメラ店で出会った宝物について。

今週は作家、池澤夏樹さんの『ハワイイ紀行』より、風と波の島にまつわるエッセイを。語られる情景や町を自身の旅に重ねてなごみ、鎌倉の植木仕事に向かう。ぼくも急流に乗って新たな旅に出たさなかなんだなってしみじみ思う。

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