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Rを砥ぐ

茅ヶ崎の親方から剪定鋏の砥ぎ方を教わった際、カーブ刃に合う砥石は片面が蒲鉾状、煉瓦色の物だと勧められた。先日、金沢八景の古めかしい金物店に寄り、その砥石が欲しいと尋ねると「そんなもんは無い。職人が自分で丸く削って作るものだ」と即答され、黙って店を後にした。

昔はそうだったのかもしれないが、鋸刃を砥がず、まるまるそっくり替えてしまう現在にはそんな手間を省く砥石が流通している。家に帰ってヨドバシカメラ通販で新潟、末広砥石の『R砥石 細目』をオーダーし、翌日に送料無料で受け取る。

平面な物に比してR砥石は剪定鋏の砥ぎが極めてスムーズになった。砥石を水に浸してからR面を刃に浅い角度で当ててスライドさせるだけ。手軽にできるから無精者の自分でも造園仕事中の昼休みに、こまめにやろうという気になる。万事、伝統技術は大切とは思いつつ、便利な恩恵を軽やかに取りこんでいきたい。
#leicaphoto

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