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生まれ変わった木皿

20数年前、「クラフトフェアまつもと」の会場で木工デザイナー三谷龍二さんにオーダーした山桜の木皿。

使い始めて数年後にコンクリートの土間に落としてしまい縁が欠けてしまった。以来、何の手入れもせずに長く放置。そんな冷淡な無精者が昨年末ふと、この木皿を修繕できないか思案し、三谷さんのショップ「10cm」に現状写真をメール送付しつつ相談。応じてくださると快諾を得て発送。

多忙な方と想像したが、年明け早々に返送してくださった。欠けた部分を削りつつ、バランスを考えて整えられた木皿。やや楕円形で左右非対称の繊細なかたちは三谷さんのセンスを映している。丁寧なオイルフィニッシュも施され、まったく新たな表情に魅せられ歓喜した。

パスタが収まりの佳いサイズとカーヴ。使いこんだ三谷さんの『スパゲッティフォーク』(カバノキ科ハネカワという堅い木材製)で絡めていただいたら、ふだんのパスタが格別な美味しさになった。絶妙な匙加減で華を和えた木皿。工藝の美とは異質なニュアンスで彩りと温かみをもたらしてくれる。これからいっそう愛でていきたい。

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