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葦と川、光と影

実家のある佃島にステイした翌朝は八丁堀まで歩いて朝食をいただく。すっかり定番化した行動をなぞる。自然な流れに身と心を任せて。

隅田川テラスの川辺をのんびり進むのもお決まり。暖かな初冬のよく晴れた朝。心地よい光を浴び、水面を撫でる風を受けての散策。

いつもの鴨たちに挨拶して葦を覗くとスズメが穂先をついばんでいた。水と緑があれば集うのは鳥も人も同じ。

川底と魚影が透き見える。こんなにも隅田川河口は浄化されたのだろうか。

岸辺に寄せる川の気まぐれなさざ波に耳を澄ます。浄らかに心洗われる。

高層マンションまわりの樹々が赤く染まっていた。まだまだ東京は温暖だから落葉は進行中。朽ちる葉のそばで春の芽が立ち現れている。

八重洲通りを行き、亀島川のほとりでブレイク。「Cawaii Bread & Coffee」のテラス席で『アメリカーナ』のホットと『クロワッサン・オ・ザマンド』。

揺れる葦、流れゆく水面の草葉を見つめ憩う。このひとときに深く安らぐ。この日は陽の強さもあり、格別に温まり憩えた。

眩くきらめく光が下流側からときどき遡ってくる。これはどのような自然現象なのかな。海の波みたいな、寄せては引くゆらぎ。幻想的な光景が観たくて、またこの店に足を運びたい。

店を出て、都営浅草線「宝町駅」に向かう。八重洲通り、銀杏並木の根元に眼が留まる。土を覆うこの4つ穴正方形板のデザインと佇まいに惹かれた。起こしやすい機能性とクールな素材感。特注品だろうか。欲しい。

バス停の広告がTOKYOっぽい。透明なアクリル?に差す光と影。ビル群と高い街路樹が成す陰翳がなかなかに劇的。週末は閑散となる地域の静けさと合わせて、とても好みなシーン。

首都高に架かる橋上の空間に据えられた水道設備。ユニバーサルデザインの水栓金具が佳い。前を通るたびにじっと見入ってしまう。

大企業の玄関先に置かれる、カラーコーンがわりの侵入止めかな? バング&オルフセンのオーディオみたいな高級感。これも欲しい!

誰も歩いていない中央区の大通りに点在するモダン。ぼくにとっては心ときめく、見物行だ。

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