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はじめての映写機
10数年来の夢を叶えてしまいました。家の土間にベンチコーナーを設けたのは昼酒を呑みながら漆喰壁に映画を映写し、怠惰に鑑賞したかったのが主動機。このたびヤフオクにて1万円台で中古のモバイルプロジェクター『NEBULA ASTRO』を落札し、思い描いたゴールに到達できたのです。
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映像を壁に照射する行為に初めて見惚れたのは15年ほど前。当時愛読していたインテリア雑誌のデザインに強く惹かれ、尊敬していたアートディレクター野口孝仁さんが営む表参道の日用品店を訪ねた日のこと。古いフランス映画を日中の明るい店内でさりげなく映写する遊び心と洒落っ気に心奪われてしまったのです。そのプロジェクターはスペイシーなデザインが魅力のソニー製品。最新モデルに比してかなり大きなボディだし、性能も劣っていたはずですが、映像の鮮明さうんぬんではなく、昼間の室内壁に差しこむ自然光みたいに、人物や景色がおぼろげにゆらめき動くさまに心酔したのでした。以来、家の壁に映画を映してみたいと憧れ続けました。10数年前、家を建てた際、土間の壁に柔らかな乳白色をした漆喰を塗ってもらったのも、その憧れをいつか実現したいという願いが作用したのだと思います。
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高価でなかなか手が出なかったプロジェクターも1万円以下の製品が登場しだしてグッと敷居が低くなりましたね。また、スマホから映像を
ワイヤレスで気軽に転写可能なバッテリー内蔵のモバイルモデルも続々と出現。かつての贅沢がとても身近なものへ変容。というわけで、この時流に乗って手ごろな一台を求めることになったのです。中古ASTROは箱なし、付属の充電器&ケーブルとリモコン、取説も無い状態で梱包され我が家にやってきました。
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充電器は製品販売元アンカー社の急速充電器を追加で買うつもりでしたし、リモコンは同社の専用アプリ『NEBULA CONNECT』の方が使い勝手が優れ、直感的に操作可能。
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簡素なユーザーズガイドは同社ホームページからダウンロードできますから、欲しいのは本体だけ。まったくノープロブレムでした。ちなみにASTROにむいた急速充電器は『PowerPort 2 Elite』、『PowerPort PD 2』、『PowerPort mini』の3製品とアンカー社からの回答を受け、一番目を選択しました。入門機に位置づけされるASTROはモバイルプロジェクターとして必要最小限の機能を備え、映写能力も低め。ですが、映画という光の動きをなんとなくぼんやり眺めるだけで満ち足りる自分には充分。何よりときめいたのは、好きな監督ジョセフ・コシンスキーさんの映画作品『OBLIVION 』に出てくるドローンに似た白い筐体(星や宇宙を意味するASTROのプロダクトデザイナーはこの映画からインスピレーションを受けたんじゃないかな?)。何かとかたちありきの自分の嗜好が捉えられたし、素朴な造形が土間空間にすっと馴染む気がしたのでした。
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音声は土間のベンチ脇に掛けたIKEAのBluetoothスピーカーに飛ばして聴く。正面の漆喰壁には小さなサイズで映画のシーンが揺らぐ。このミニマルで控えめな映像体験、理想すぎてまた大いに自己満足&陶酔。
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