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花瓶を飾る

和洋の美しい工藝品をコレクションする、松本の飲食店「木曽屋」さんのインスタ投稿を観て花瓶の飾りかたについてふとアイデアが湧いた。ハンギングできるようフランスのローソク立てに組み込まれた針金のパーツ。ガラス瓶の口まわりを留める可動構造にヒントをもらいつつ、より簡素に取り入れてみようと着想した。

使うのは庭に転がっていた針金ハンガー。ほどよく錆び、剥げているのが佳い。

おおらかな造形と佇まいに惹かれている福岡小石原、太田 潤さんの手吹き再生ガラス。グリーンの製品は野趣が際立つよう感じるからダイニングのランプシェードも、居間の花瓶もこの色を選択。その後者に針金を巻いて寝室の枕近くにぶら下げられるようパーツを組み入れてみた。眠る前や起きたてに花瓶の植物が眼に入ると想像したらワクワクした。作業は単純。ハンガーの太い針金をペンチで切ったり手で曲げて適当に変形するだけ。

アマチュアなんだから、こういう遊びはささっと気張らず愉しまなくちゃ。真剣にやっちゃダメよと冷ややかに言いたげな猫。彼女の視線の先では庭に繁茂する黄斑月桃が温かな陽を浴びている。

厳冬期の2月だというのに、ヴィヴィットなグリーンとイエローを纏い続ける南国植物。温帯域への順応と進化を遂げ、越冬どころか今冬は一向に枯れる気配を見せない。種子の数も増加中。その驚異の生命力、生き抜く逞しさにあやかって、乾燥させた葉と種子を花瓶に差す。

ベッド脇に掛けたIKEAの有孔ボード『スコーディス』。眼鏡やiPhoneを納める東北の蔓籠のそばに、専用フックで花瓶を下げるとなかなか佳い感じと日曜工作の成果を悦ぶ。月桃のほのかな香りも漂い、毎日の寝起きが楽しくなりそう。


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