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緑と橙

横浜人形の家」でのワークショップ会場を出て歩いて向かったのは石川町駅裏の小径に立つ「CENTRAL BURGER SHOP」。北米にあるような洗練と武骨さ、クラシックさがミックスする格好いいバーガーショップそのものの内外観。昨年5月のオープン時からずっと気になる存在だったが、ようやく訪問を果たせた。

『こけしの世界展』の展示を見納めた最後に、いつかは入手したい佐藤英裕工人作の縄跳び少年玩具のイラスト(佐々木一澄さん画)を凝視。その背景色である濃緑と壁の茶に近い橙色をバーガーショップがメインカラーとして配色。

近似色の一致に縁を感じ、この初訪問は偶然ではなく必然的な流れなのだろうと思いこんだ。
そんな単純思考の自分を褒めたい(笑)。

オーダーと会計を済ませて席に着くなり、合板やランプ類など部材に工業製品を多用した武骨な60〜70年代の古き佳き豊かなアメリカを彷彿させるインテリアに見惚れる。

飴色をした簡素な素材で構成したベンチ風の席。独特なニュアンスのオレンジ色に塗られた壁とよく馴染む風情に惹かれた。我が家の土間に設けたシナベニヤのベンチコーナーに通じる居心地。なんだか自分の住空間でくつろいでいるリラックス感に包まれた。同時に、自分は濃緑と橙色を愛で慈しみ、深い安らぎを覚えるタイプの男なのだと認識を新たにした。

床と壁、植物のカラーコーディネートが素晴らしくマッチしている店内。隅々まで観察し、センスの良さにひたすら唸った。カナダで生活し、大好きなバーガーショップを食べ歩いたという店主ならではの美の視点、感覚なのかな。

もちろん美しい空間だけじゃない。お目当てはバンズから牛肉パティがカリカリに薄く焼け出るこの『スマッシュバーガー』。見た目にゴクリと喉が鳴り、カブリついた。『クラシックチーズバーガー』セットで頼んだ『ワッフルフライ』ともども、今まで味わったことのない食感と旨味にぺこぺこのお腹が満たされた。懐かしき『マウンテンデュー』で喉を潤しながら、次回はコーヒーのおかわりが自由になる午後に再訪し、さらにじっくりなごみたいなと考えた。横浜らしいハイカラな味と空間を楽しめる店。また、新たな嬉しい出会いが喜ばしい。

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