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哀・玄関百合
球根が土中に張っているのか、玄関の引き戸前で毎年梅雨あたりから茎をぐんぐん伸ばすようになった台湾原産の高砂ユリ。6月ごろ開花する沖縄原産の鉄砲ユリに酷似するが、両者は葉のかたち、開花時期の違いで区別できるはず。
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今年に存在を意識し始めたのは7月19日。花の受粉に深く関わるとされる昆虫ハナムグリが雨粒をまといながら先端にしがみつく景色に魅せられたのが初端。
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数日後には蕾が目立つようになり、こんどこそ花を拝めるかな、と大きな期待を抱いた。
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というのも、このユリが立ち上がる位置がポストの真下、バイク駐輪地のそばで、ポストやバイクが茎に当たって花が咲く前にあっけなくポッキリ折れてしまってきたから。同じ場所でたくましく根を張り続ける外来種だけど、かなり打たれ弱い繊細な植物でもあるのだ。
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1メートル以上にも成長したあやうい茎を、うーん邪魔だなぁと思いつつ、今年は開花を見守ろうと引き戸の開け閉めやバイクの停め方に気をつかい観察。8月の旧盆には頭をもたげ、いよいよかと胸が高まった。
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しかし、、、。なんと、そのまましおれてしまった。あゝ、哀れな姿にガッカリ。なぜ花を開かなかったのか要因をいろいろ考え、来季に備えよう。といっても、植物側の都合、思惑があるんだろうけど。高砂ユリに一喜一憂した2022年夏、印象深いひと夏になりそうだ。
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