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葉山の新米

昨年末に葉山下山口在住のグラフィックデザイナー&ニホンミツバチ愛好家レイジローさんによる初めての米づくりを手伝いしたのは昨年5月末。

裏山の湧水を引きこみ田んぼを起こすところからなんの経験もなく着手したレイジローさん。小規模とはいえ、無農薬で愉しみながら稲刈りまで無事成したことにただ感服。ニホンミツバチの巣箱設置、そして田んぼ。地域と深く佳い関係を築きながら、(傍目には軽やかに見える)野生を愛でる嗜好、実践力をぼくは心底リスペクトしている、

律儀にも分けていただいた新米を南部鉄器の鍋で炊くとミルキーな香りが立ち上がってきた。

艶やかでふっくらとした米は夢のような美味しさ。

『くらわんか茶碗』に盛った。愛媛県砥部焼、梅山窯が製作した碗はかつて大阪淀川を行き交う舟の上で使われていたもの。厚手で頑丈。高い高台は手のひらの収まりが佳く、鈴木繁男さん意匠の呉須丸紋に眼も悦ぶ。クールな磁器の触感と紋様の温かみの絶妙なバランス。どっしりと据わる抜群の安定感が仕事の不安で揺れるぼくの日常に喝を入れつつ潤いを与えてくれる。

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