見出し画像

アラン諸島のニット帽

朝晩の冷えこみが増し、ニット帽が必需の時季になった。帽子好きな自分はラムウール、メリノウール、シンチラ、リネンなどさまざまな素材に入手してきたが、いちばんのお気に入りはアイルランド、アラン諸島でつくられるINIS MEAIN(イニシュマン)のニットキャップ。

カシミヤ30%、メリノウール70%を混ぜ、ふんわりと暖かく、被り心地が格別だ。確か20年ほど前、葉山一色の「sunshine+cloud」で出会えたもの。オーナーの高須さんのセレクトらしい上品な佇まい、肌触りの良さ、舟をかつぐロゴの愛らしさに惹かれて求めたが、やや高価で、かなり思い切った買い物だったと思う。それでも未だに元のフォルムを保っているから素材、製法とも値段相応のクオリティだし、佳い選択をしたと納得している。

しかし、上質な素材をラフに保管してきたため、虫食いの穴がいくつも空いてしまった。こうなると、さすがに街に被っていくのはためらわれ、せっかくのお気に入りも衣装ケースに仕舞われたまま何年も放置。その後、ネイビーのニット帽(英国のアウトドアブランド製、アクリル100%素材)で妥協してきたが、どうにも愛用の念が湧いてこない。1、2年使ってだらしなく生地が伸びてきたのにも失望。やっぱり冬の防寒はイニシュマンに限るなぁと、満身創痍のニット帽をセルフリペアできないかとリサーチ。

できるだけ簡素に。面倒でなく、気軽な手法をと調べたら、代官山の古着屋店主うぐいすよしのさんのnote記事に行き着いた。不器用な自分でも、これならできそうとトライしたら、あっけなく穴をふさげて歓喜。

綻びを直した跡がチラチラと見えてもいいかなと、あえて同系色ではなく、ヴェージュ系の目立つ糸を使ってみたが、なかなかいい感じではと深く自己満足。やったー! 自身で修繕したことで愛着もいっそう増しそうである。

というわけで、蘇ったニット帽を頭に近所のビーチで澄ました得意顔でセルフィー。

黒いウェアとも相性良く、ご機嫌。新品よりずっといい! 直しながら、ずっとずっと被っていきたいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?