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毎日の食パン
朝ごはんは決まって食パン1枚か2枚。そんな食生活を送る男はパンを切らすと慌てふためいてしまう。マイ定番である葉山一色「ポコパン」の『トースト食パン』を買えない週末もあるから、緊急対策として慌ただしい早朝に米粉と豆乳ヨーグルトで『へとへとパン』を焼く術をマスターした。けれど、主材料のストックがうっかり無くなる日も多々だし、そもそも弁当の用意と並行しておこなう30分弱のパン作りが面倒に感じる朝だってある。困り果てて、仕事帰りに駆け込んだのが鎌倉大町「日進堂」だった。
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休みは正月三が日のみ。地域住民の暮らしをひたむきに支える、気取り皆無な日用ホームベーカリー。15年ほど前、ローカルコミュニティ誌の取材で訪ねたときは恐そうな親父さんが健在で、夕暮れ時には惣菜パンを大幅ディスカウントして売ってくれていたっけ。
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16時過ぎだって、ごく当たり前みたいにまだ温かい食パンが並んでる。店頭に立つお兄さんに尋ねたら、一日たくさん何度も焼きたしているとか。素晴らしい! 縁あってこの誠実、良心的な270円の食パンを仕事帰りに買える今の境遇を悦びながらせっせと寄らせてもらうかな。
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パンの柔らかさも味わいたいから、バターを載せてほんのり焼くのが自分には佳い塩梅。
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鎌倉長谷「山屋製餡所」の白餡と粒餡をたっぷり合わせてがぶり。うーん幸せすぎる贅沢。無休で働く両店の美味しさに勇気と活気をいただき毎朝、鎌倉の仕事場に向かう。いろいろ大変だけど、なかなか恵まれた現況かもしれない。
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