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八丁堀散歩

佃島に泊まった翌朝、実家前の隅田川から亀島川など運河沿いに水辺の街を散歩。

梅雨の最中、快晴の朝は夏の気配が立ち上がりつつも、まだ涼しい。とはいえ、早足で歩くとシャツがたちまち汗ばんでくる。東京の6月は亜熱帯地方みたいな湿度で蒸す。

複雑な水流の川に映るビル。抽象画みたい。

中央大橋を渡るたびに眼に留まるクラシックな白いビル。室内に間仕切りはなくガランとした空間が広がり、リノベーションの自由度が高い。好きな家具や間接照明をミニマルに配して生活したら、さぞ愉しいだろうなと夢想。普通の建物じゃないなと思って入口を確認したら、スタジオだった。納得。

いつものコースから少し逸れて亀島川に架かる南高橋を渡り、そのたもとへ。あっ、あそこに小さなテラスがある! この日の発見、収穫。こんど、ここで水辺呑みしよう。

ポスタルコのマイク・エーブルソンさんが散歩中に遭遇したミントグリーンの商家を観に行く。しかし時は遅し。味わい深いエクステリアは改装されていて、ごく一部に気配があるくらい。残念。

少し気落ちしながら、絶滅危惧種のレトロ建物をスナップしてまわる。そうした物件を上手に活かしている会社も散見。うろうろとひと気の無い八丁堀界隈を彷徨っていたら、終着地であるベーカリーからいつの間にかずいぶん遠のいていた。江戸城へ直線的に近づけない意図ある江戸時代の町割が今も残っている。これぞ方向感覚を麻痺させる企みの江戸マジック。

かなり遠まわりして「Cawaii Bread & Coffe」で朝食。いつものテラス席で川の流れを眺めてのんびり。対岸に流木が積まれているのに初めて気づいた。酔狂な人がここにもいるんだなぁ。さて、これからどこに出かけようか。焼きたてパンに満ち足りて、コーヒーを呑みながら休日のプランをぼんやり考える。そんな朝8時過ぎの過ごしかたがたまらなく好き。

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