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柚子と甘酒のパン

和洋どんな料理にも合い、酸味で美味しさを引き立たせるスーパースターがレモン。同じ柑橘系果実でも地味な存在が柚子。本当はレモン同様に活躍できるはずなのに、庭でたくさん実ったお裾分けをいただいても、パッと華やいだ気分にはならないのは自分だけだろうか。食卓に持ち帰ってもテーブルに放置して、いつの間にやら干からびてしまうのが関の山。

そんな不当な扱いに甘んじている柚子がふと不憫に思い始めて、ジンに割って呑んだりと使いきりに執心しつつあるこのところ。何の予定もない日曜日の朝には酒粕から甘酒を作った勢いで米粉のパン(『へとへとパン』のレシピより、『甘酒ブレッド』)を焼く際、生地に柚子の果汁をたっぷり染みこませた。

レモンのピンチヒッターだっだけど、甘酒の穏やかな甘さに控えめな酸味がよく馴染んで存外な和の旨味を醸していた。その渋いさりげなさが最高にクール。柚子の虜になるほどの高揚感はないけれど、隠れた可能性に気づかされた。家の庭でも育ててみようか。にわかに新たな関心が湧き上がってきましたよ。

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