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葉山一色海岸の陽光

葉山町のなかでも温暖さが格別な一色海岸エリア。山から海に続くこみちを散歩し、澄んだ空気を透過するきらめき、樹々がもたらす繊細な陰翳を見つめているとここは天国かと思う(笑)。

枝葉にカメラのピントをいったん合わせて、そこからアウトフォーカスしていくにつれ樹々の向こうから差す光が丸い輪郭となってぼんやりと立ち現れてくる。その幻想的な光景は肉眼だけではとらえられないが、カメラと望遠レンズを介してファインダーのなかでは視認し、写しとることができる。

その美しく淡い光のかたちは真冬の10時半から11時過ぎ、こみちの平坦な白壁に映り、風で妖しくゆらめく。どういう原理で表出する景色なのだろう。カメラという光学機器の原素を考案した人はこうした光の不思議な働きを観察し、装置構造の着想を得たのかもしれない。

先日、一色海岸の陰翳を描いた映画『椿の庭』を鑑賞した余韻から、撮影者の上田義彦さんのように動画でこの光の輪郭と揺らぎを表現したいと願った。より感覚が伝わりやすいだろうから。

カメラはPanasonic GF-1、レンズはLEICA Macro Elmar90mm

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