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MUJIのお気に入り

国際的プロダクトデザイナーで日本民藝館第五代館長、無印良品アドバイザーの深澤直人さんはとある講演の場で若いリスナーたちに向かってこう言い放った。「皆さん、無印良品が無くなったら、お困りになるでしょう?」。真っ直ぐでインパクトある言いよう。なんて傲慢な!(笑)と一瞬感じたけれど、確かに安価で見栄えの良い日用品を欲するときはときどき無意識にMUJI製品を探し求めてしまうから、100円ショップの物とは別次元なMUJI的クオリティをぼくの心根では認識しているんだろう。最近、買ったのは日々の肉体労働を支えるもの。

立体メッシュケース』は売り場でオレンジ色に眼が惹かれて衝動買いした。適度なマチとメッシュ素材の通風性といった機能以前にイタリアにありそうなこの色味に心奪われた。なかなか日本では見かけることが無いニュアンスのオレンジだと思う。想像だが、色の決定に深澤さんが深く関わったのではないだろうか。

現場へのバイク通勤で毎日荷物をパッキングしているワークマンの『防水ボストンバッグ』。そのインナーバッグとして、さっと取り出したいものを納めるのに『立体メッシュケース』のLサイズを選んだ。オレンジが目立って、グレーのバッグ内でも位置が視認しやすいのが佳いし、色も含めた風情もじつに心地いい。ファスナー取手の形状もMUJIならではの美点だ。当面はLサイズだけで事足りるんだけど、MUJIあるあるで、ワンシーズンで廃盤になる可能性があるからSサイズも入手しておいた。ちなみに視認性重視でオレンジに手を伸ばしたけれど、グレーも深澤カラーっぽくて魅力的だ。

造園仕事は睡眠と食事の質が肝要。昼食は外に出かける華の水曜日以外、吟味した食材で弁当を手作りしている。たまには野菜たっぷりなカレーやシチューなど汁物をメインにする日もあるが、スプーンをどう衛生的に携えるか思案していた。つい先日、MUJIで便利そうな用品を見つけた。『シリコーン カトラリーカバー』である。眼にしたとき、グレーの色合いとカバーの留めかたの工夫に惹かれて、あっこんなのがあったら良いなと願っていたんだと購入。

スプーンやフォークだけでなく箸だけもカバーをすぼめれば収まるし、3つともも可能。この汎用性が佳い。ただ柔らかなシリコン素材は汚れが取れやすい反面、静電気の作用か埃など微小なゴミも付着しやすい。細く長いストラップも強度的に頼りなさげだ。この製品の真価はそれなりなのか、しばらく静観しよう。

あと、冒頭に写っている『お弁当バンド』も最近のマイヒット製品。愛用の丸小判型わっぱの蓋をしっかり閉じ締めるのに、サイズ感、タイト感ともじつに具合が良いのである。MUJIでは同タイプのわっぱをラインナップしていることも製品化に作用したのかな。こんな気の利いた小物をさりげなく単品で売る点を讃え、またMUJIを無意識に求める傾向が強まっていく。

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