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南青山で新年運試し
イラストレーター佐々木一澄さんが選び集めた郷土玩具とイラスト原画を展示販売する新年恒例の催しが先日より始まりました。場所は南青山の「OPAギャラリー&ショップ」。
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毎年、正月を過ぎたあたりからソワソワしてしまいます。今回は「郷土玩具と子ども」がギャラリーでの個展テーマ。
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『こどものとも年少版2023年6月号 せまーい』(福音館書店)の原画を中心に。
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子どもがからむ郷土玩具の原画も。ぼくは佐々木さんの嗜好と眼に魅了され、選んだものがどれも欲しくてたまらなくなる。とりわけイラストのモチーフとなった玩具が。「自分の大好きを皆さんに紹介することで、郷土玩具がより広まっていったらいいですね」と佐々木さん。
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隣りのショップスペースには、佐々木さんの心眼を捉えた玩具が並びます。愛らしく、ポップな表情と明るい色づかい、おおらかな佇まいの虜になり、すべて買い占めたくなるくらい頭が熱くなり、気が狂いそうになってしまう。
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すべて佐々木のセレクトだからこそ物欲が激しく刺激されるんです。可愛い、けれどファンシーではなくてユーモラス。さりげなく上品で洒落ているもの。その差をきっちり見極めて選び抜くセンスにぼくは心酔しているんですね。見た目だけじゃありません。
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伝統的な製法や絵付けをきちんとつくり手が正しく継承しているか、個人的な表現へ逸脱していないか。作家ではなく、あくまでいち工人か。その姿勢もまたチョイスの重要項目。優れた工藝品の吟味に通じる、芯が通った真摯さ、誠実さをイラスト作品ともども佐々木さんからは感じます。
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たとえば絵付けに着目すると、青森県弘前の津軽系工人、石川美祈子さんのこけしはなんと軽妙かと心奪われます。サッと筆を走らせた淡く消え入りそうな模様と顔。
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どれにしようか悩んでしまう気持ち、よーくわかります。とはいえ、遠くから眺めて俯瞰し、自分だったらコレ!と直観でひとつだけ選んでいたのですが、先客に掬われてしまいました。縁がなかったなと諦め、またの出会いを心待ちにしたいと思います。
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開店前からたくさんの人が駆けつけ整理券が配られ、ぼくは20番目。お目当ては、神秘的&独創的過ぎる斬新な文様に彩られた、琉球張り子の唐獅子だったのですが、ハラハラドキドキしつつも1個のみの限定玩具を無事入手できました。全国数多の郷土玩具のなかでベスト中のベスト。ずっとずっと、いつかは欲しいと懇願していた宝物ですから、夢が叶い感激。今年は佳い一年になりそうです!
当初は『唐獅子』(唐草文様は中国文化の影響が色濃いそう)オンリーと欲を抑制していたのですが、那覇市壺屋の琉球玩具製作所「こくら」の中村真理子さん(祖父であり、琉球玩具づくりの第一人者、那覇市無形文化財保持者の故・古倉保文さんの跡継ぎ)がつくる『鯉乗童子』(昔の沖縄では五月の節句に鯉のぼりの代わりに縁起物としてこの人形を飾ったとか)の鯉のヒレが風を受けてパタパタと上下に動くキュートさに一目惚れ。合わせて求めてしまいました。
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さらに、さらに。中古郷土玩具コーナーの隅っこに潜んでいた熊本県玉東町の郷土玩具『木葉(このは)猿』が眼に入ってしまったもんだから、もう大変。この呪術的な文様を纏う土人形も唐獅子と同レベルで手元に置きたい玩具だったから衝動買い。この好機を逃す手はありませんので。新年早々、こんな幸運に逢えてよいのでしょうか。ちょっと信じがたい心地で呆然としています。ギャラリー&ショップにはまだまだ魅力的な原画やカレンダーや著書、ポストカード、トートバッグなどの佐々木さん制作物、郷土玩具が残っていますので、皆さんも運試しに出かけてはいかがでしょう?
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