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ワインと皿

先週土曜日、恵比寿の「playtime cafe」でナチュールワインを昼呑みしていた際に勧めてもらったのが追浜のワインスタンド「LuLu」。翌日たまたま寄った「のたり葉山」での催し『古道具と菓子』展にて、古物商の森吉野さんが次週末は「Lu Lu」で『ワインと古道具』というポップアップショップをひらくと聞いて、これは偶然ではなく、もはや必然と悟り、出会いの流れに乗った。

追浜駅前の商店街から少し入った通り沿い。平潟湾から流れ入り、クサフグ幼魚が集う鷹取川と八角形に穴が開く夫婦橋の石製欄干。そしてトタンの色味が素敵過ぎるビリヤード場、点在するスナック。昭和のムードが留まる魅惑の地域に調理師の丸茂正裕さんが営む「Lu Lu」は立地。

森さんと吉野さんは今回、籠と皿をメインに並べるという。

「お買い上げいただいた皿に料理を盛り付けちゃうかも」と丸茂さんがつぶやくもんだから、その快楽的流れに陶然となり、実現したくなってしまった。もう訪問の日が愉しみで仕方なく、ワクワク。

真夏のような陽気だから、頭はSASHIKIさんのカンカン帽子、足元はTATAMIサンダルで軽やかに。手にはカーゴカゴを持って扉を開いたら、すぐ森さん、吉野さんが籠について尋ねてきてくれた。予想通りの反応が嬉しくて、またまた熱く語ってしまう。このオタク気質丸出しキャラ、生涯変わらないのだろうか(苦笑)。

カウンターに着くなりパッと眼が感応したひと皿を選び、速攻で買う。フランス・ブルゴーニュ地方の窯「ディゴワン&サルグミンヌ」の白磁。機能的で多様な用途に応じる実直なかたち。自分の生活空間に溶けこみ、ひと目で日常使いするシーンが思い浮かんだ。このような実用古道具を選ぶ森吉野さんのセンスと美意識に強く惹かれている。

購入した皿にイタリアやフランスのチーズを盛り合わせてもらい軽妙なロゼとともに味わう。

庭のドウダンをラフに生け、ドライフラワーを壁に飾る植物好きな丸茂さん、カメラ愛好家の吉野さんとお喋りしてさらに口泡飛ばしてしまう。

常連客から贈られたワッペンのエピソードも聴いたりして、すっかり場に馴染んで2杯めは赤ワイン。これもスルスル幸せに身体に沁み入っていく。さて、次はワッペン制作者である、流しのスパイスカレー屋シナルジさんが厨房に立つタイミングで再訪しようかなと、夢心地で白昼の街を彷徨う。

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