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陽除け帽子

早朝に家を出て夕方に帰る毎日。バイクでの通勤時間はちょうど朝陽が上がり始め、夕陽が沈もうとするタイミングに重なる。

道中、眩い斜光に道端のものが照らされ赤く染まる景色はなかなかにドラマティックで眼を楽しませてくれ、活力がみなぎってくる心地になれるのだが、その陽を正面からまともに受けると眼が眩まされ走行が危うくなる。信号の色さえ判別できなくなるほどだから対策を講じた。

まずはサングラスを装着してみたが、気休め程度の効果しかなく依然信号の色がわからない。そこで思いついたのは車の運転席にある遮光用バイザー。バイクのヘルメットに庇(ひさし)となるバイザーを取り付けて朝陽、夕陽の直射を遮るという簡素な作戦だ。しかし、あいにく常用ヘルメットにはバイザーが装置不可だった。

そこで思いついたのがヘルメットの下にツバの付いた帽子をかぶること。真冬の防寒も考えるとツバ付きの上、両耳と後頭部もカバーする保温性が高いものが最適だが愛用品のなかには無い。ならば新調をと、パタゴニアのフリースキャップ『ウィンター・ダックビル・キャップ』に食指が動きかけたが、柔らかそうなツバが走行風で上下にバタつくのは必至と見送った。そしてたまたま、ジャーナルスタンダード別注のPOLARTEC(1970年代にパタゴニア創業者イヴォン・シュイナードとともにフリース素材「シンチラ」を開発した老舗繊維メーカー)社製『MICRO SERIES FLEECE®』使用のフリースキャップを見つけ、大胆なロゴ配置と手ごろな値に惹かれ、これだ!と直観走って購入。

ヘルメットと合わせるとこんな感じ。ツバは予想通り強い向かい風に耐える硬度があるし、柔らかな触感のフリースが耳まわりや後頭部含めて身体で最も放熱が激しい頭をやんわり温めてくれる。まさに理想の冬帽子に出会えた。ネイビーに近い色味のブラックもヘルメットの色とよく馴染み、とても気に入っている。

斜光の輝度は同様だが、朝陽(上の写真、野比海岸にて)と日没直前の夕陽は色合いがだいぶ異なるのをご存知だろうか。

朝は黄色ががかっているのに対して夕暮れは赤色が強めだ。これは日中、空気中に滞留した埃や塵が色の見えかたに作用するんだとか。いずれにせよ、海から陽が昇り沈むシーンをデイリーに直視できる今の生活、かなりラッキーでありがたいなぁと喜ばしく思っている。

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