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湯河原散歩

大雨のなか、思い立って湯河原へ。海岸に柳宗理デザインのバス停(バストップシェルターT型)が現存すると知り、観に行く。

Google MAPで調べると真鶴駅から坂道を下ってアクセスするのがスムーズそう。駅前には最も訪ねたいローカルなピザ食堂「KENNY」がある。この日は生憎の定休日。次回はタイミングに合わせてテイクアウトしたい。看板は真鶴出版の制作で店の特徴をよく表している。「なごやか昼下り」のコピーが佳いなぁ。散歩のゴール地として午後まったり店内で過ごすのもいいかも。

そんな楽しい計画を想い浮かべながら福浦の海岸へ向かう。途中、干物が美味しそうな魚屋やクラフトビール醸造所を発見。電車と歩く旅でないと出会えなかっただろう。唐突に現れた「海の家バス停」。波型の屋根が雨水を効率よく集水する造形。柳デザインの価値を長く残してもらいたいが、このバス停はあまり利用されておらず心配。

ゴアテックスのウェア、シューズを纏って全身雨に打たれつつ奥湯河原へと登り歩く。高湿度で汗びっしょり、無謀な移動。

土肥から宮上エリアへ。途中、ドクターイエローが新幹線架線橋を横切るシーンに遭遇。幸運に
高揚しながらも、坂道に息をきらして目的地に到着。日本一とも世界一とも賞賛されるカツ丼(950円)を食べに「王ちゃん」へ。

この食堂で昼ごはんを食べるためだけに湯河原を目指す価値があるという『うみちか』編集者の言葉に納得する旨さ。街を歩いて気づいたのだが、湯河原には品格ある肉屋が多い。佳い食材店のある所では美味しい肉料理にありつけるのかもしれない。地域住民のカツ好きな嗜好がその味を支えているのかも、とも想像。歩く旅ではいろんな考察がもたらされる。

食後、近くの日帰り温泉浴場にも寄らず湯河原駅に戻る。酔狂者の行動はかくも不思議。ビジターの車が往来する道を避けて千歳川沿いのこみちを進む。すると、道端の民家軒先で立派なレモンを格安で売っていた。自分の選択にご褒美をいただいた気分、嬉々として4個買う。

駅の手前にある甘味処で帰りの電車で頬張るおやつを求めようと思い描いていたが、早々に完売した模様。残念な気持ちを引きづり、二宮駅で途中下車。

豆友」で甘納豆を土産に買い、14時過ぎの「山小屋」でアイスクリーム、フルーツ、ソースとも(最下層のトッピングはヨーグルト)マロン尽くしの『オリジナルパフェ』を堪能。湯河原で振られたスイーツ欲を満たす。

逗子駅近くの崎陽軒でシューマイ&チャーハン弁当を買って16時台に帰宅。湯河原のレモンを絞ったチューハイを豆友の甘納豆を肴にグビグビ。大雨の散歩、なかなかの充実に大満足。




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