ダブデカ考察4:「アンセム」とは?

「アンセム」ってナニモノやねん、という件については10話のキリルが「俺が思うにバクテリアみたいなもの」とかなりガチの説明をしてくれてるし、その作用については1話からちょいちょいダグが丁寧に説明してくれているので、そこには触れない。キリルの即席講義、なんとなくはわかる気がするけど(「ファンタジーのおくすり」から「サイエンスフィクション」に認識ジャンルが変わる程度)アレちゃんと理解するには結構真面目に遺伝子工学の概論あたりは読んでおかないといかんので迂闊なことは言えない。
 なお10話見ながら「遺伝子に作用して体を変質させる」ようなものをどうやって「医療使用」するんだ…?アヘンやなんかの神経伝達物質に干渉するようなのを痛み止めとして医療使用するのはわかるけど、人によってどう作用するかが千差万別で、使ってみるまでどんな変化が起こるかわからんものをいきなり「医療使用」はできねえだろ…作ってるエスペランサですら解毒剤のレシピ知らんのやぞ…この医者大丈夫なの…?とか思っていたがヤクザのフロントじゃあしかたねーなあ、しかたねーよ。
 むしろそんな不審な申請受けてたのに軍は調査もせんとほっぽらかしてたのかよ、軍も大丈夫なのかよ。もし「何度も軍に申請してた」っていうのが嘘だとしたら、キリルをノセてSEVEN-O経由で軍に口添えとか無茶を言い出すわけがないしなあ…。それとも「遺伝子治療にアンセム使いたいから軍秘蔵の解毒剤レシピください!」とかそういう申請だったのかな…いやそういう申請だとしてもやっぱ調査くらいしてくださいよ。むしろそういう病院や医療者結構いるのかなあの世界…あんまりいすぎてマニュアル対応してんのかな軍が…。なんかもう、リスヴァレッタ軍部っていうのが一体誰が何をどこまで知ってる組織なのかよくわからんようなってきたな…。

 まあこの話はこの辺にしておいて、じゃあこのエントリで何の話をするかっていうと「『アンセム』という名前は一体どこから来たのか?」っていう話。現代で「アンセム」と発音するものにはいろいろあるようだけども(特に芸能関係)、ダブデカ世界における「アンセム」の由来になりそうなものとしては

1:英語の名詞「Anthem(頌歌、国家、応援歌)」

 元は聖公会(イングランド国教会がルーツで、カトリックとプロテスタントの間の「中道派」を自認する宗派)の聖歌、または交唱讃美歌。のちに特定集団のシンボルとしての讃歌(国家、団歌、応援歌など)。

2:アイン・ランドのディストピア小説『Anthem(讃歌)』

 子どもたちは両親から引き離されて記号で呼ばれ、趣味嗜好や主張を禁じられた没個性を強要される未来の世界。技術の進歩が統制された上、かつてあった文化・文明についても秘匿された社会から、科学を愛する一人の青年がある少女と恋に落ちて二人で脱出。政府の管轄外にある森で旧世界の書籍を見つけ、青年は『プロメテウス』、少女は『ガイア」と自らを名付けて二人で暮らすようになる。
 タイトルは元々「自我」となる予定だったが、直接的にすぎると判断し「(自我・個性への)讃歌」というタイトルに変えたとのこと。著者ランドはロシア系アメリカ人。

3:ファイル共有ソフト「ansem」

 サーバを経由せず通信端末同士が直接データをやり取りする「P2P」という方式のソフト。開発者はXibel(ザイベル)。

 多分このあたりじゃないかなーと思ってる。3については開発者の名前がエスペランサトップのザベルとちょっと似てたから引っ張ってきたけど、綴も違うしなー…。
「アンセム」の「使用者の遺伝子に働きかけて進化を促す」という作用を考えるに、「進化を称揚する讃歌」として「アンセム(The Anthem)」なんだろうか?

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