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京都をつなげる30人 第4期 (1) 〜「100年後にみたい京都」お互いに聴ききる〜


2023年10月5日、「京都をつなげる30人」第4期がスタートしました。
コロナ後のインバウンドが順調に回復している一方でオーバーツーリズムの事態が深刻化している京都。今だからこそ問いたい100年後の京都について、内から観る人(移住・定住者)と外から観た人(関係人口)が多様な視点で深めていきます。

セクターを超えて一緒にイノベーションを起こせる場

冒頭に本プロジェクトのプロデューサーである野村 恭彦 氏より「京都をつなげる30人」が目指す姿についてお話がありました。

野村氏:

「京都をつなげる30人」はセクターを超えて一緒にイノベーションを起こせる場です。
みなさんが主体的に問いを生み出して、それにみんなが寄ってたかってサポートする。まるで中学時代からの友人のように個人として互いを信頼している関係性だからこそ実現できるコラボレーションが生まれるコミュニティを目指しています。

これから社会が変化していく中で企業がファスト(目的合理性・短期的)に解決する形ではなく、市民が本質的で長期的な目線で課題を解決することが重要になっていくのではないかと考えていますしています。京都では人と人との繋がりの中に「まちの同級生」という感覚があり、その繋がりから導き出したアイデアを市民としてスロー(共創関係性・長期的)に問い続けることができる町だと期待しています。

チェックイン:プチ問題意識について

第4期メンバーは働き方や国籍も様々で、それぞれが選択したバックグラウンドを持って参加しています。そんな30人が最近考える「京都のプチ問題意識」をテーマにチェックインを行いました。
 特に印象的だった問題意識は、京都に移住したメンバーが町に馴染んでいくことにハードルを感じている傾向があり、定住者との繋がりに課題を感じているということです。今回の京都をつなげる30人は移住者と定住者が交わる貴重な場でもあると考えると、今後の展開に胸が高鳴りました。

スローリーダーシップ実現のポイント「傾聴」

はじめに『スローリーダーシップ』という共通の意識を持つことを目的に傾聴のワークショップを行いました。

傾聴のポイントである「話きる・聴ききる」を意識して3人1グループで行いました。相手の話をしっかり聴ききって、相手が改めて自分を再発見できる機会をつくるという慣れない体験に試行錯誤するメンバーの表情が印象的でした。

「100年後にみたい京都」をテーマに問いを立てて未来を想像する

株式会社 TBWA HAKUHODO 田貝 雅和 氏より、グローバルに世の中のカルチャートレンドの調査をしているTBWAが発表した『EDGES 2023』をみながら「100年後にみたい京都」をテーマに5チームに分かれて問いを立てて深掘りしました。

京都市長 門川 大作 氏とパネルディスカッション

Day1最後に特別ゲストの門川 氏とパネルディスカッションを行いました。

【Team:NEO MIX】

Team NEO MIXIは、関心のあるテーマのコミュニティを世代関係なく持つことができる町を実現することで「京都ブランド」の下に蹲っている文化を解像度の高い状態で発信し、未来の京都に文化の豊かさを残していけるのではないかと提案しました。

【Team:チーム 六人の侍】

Team 六人の侍は、京都は世界から観た時に心へのインパクトを重視する都市なのではないかという問いを立てました。貨幣のように数値化できない心の指標(マインドインパクト)に人が集い、経済が動き、新しい価値への投資が集まる未来の京都を描きました。

【Team:等間隔】

Team 等間隔は、「あえて何も考えない」ことの価値に着目しました。「かも川」に集う人は自分のために自分の時間を過ごしています。京都から世界に伝えるべきことは「あえて何も考えない」ことで新しいことが生まれる素地がある「かも川モデル」なのではないかと提案しました。

【Team:こどもたち】

Team こどもたちは、他府県出身のメンバーで構成されています。外から観た京都は小さなコミュニティが重なっていて世界的にみても珍しい繋がりが存在しているという点に着目しました。効率化された現代社会の中で非効率的であるからこそ存在しているコミュニティを大事にしたい。曖昧さや余白のある小さなコミュニティがある町をなくならないようにしたいと訴えました。

【Team:ブラックホールズ】

Team ブラックホールズは、京都らしさの中で「変わらないもの」とそれが存続するために「変わっていかないといけないもの」の二重性に着目しました。日常と非日常や本音と建前など、京都らしさとはエンターテイメント性なのではないかと問いかけました。

門川 氏より5チームから受け取った問いに対して、コメントをいただきました。

門川 氏:
京都人は目利き・試み・匠・極め・もてなし・始末を大切にそして丁寧に行います。「京都らしさ」を残していくには、新たな挑戦をする時の目利きが必要になると思っています。

今年は京都市立芸術大学が移転しました。今後、芸術と大学がどのようにして地域を変えていくのか希望に満ちています。企業は技術革新と効率化ばかり注目していたけれど、今はデザインや働きがい、遊び心を求める時代になってきています。
これから京都の新たな価値、文化、多様性が求められていくのだと感じています。

チェックアウト

「10年ぶりくらいに京都のことをひたすら考える時間を過ごすことができた。」
「京都っていいなと思いました。」
「いろんな人と話せて楽しかった。今日の学びや発見を振り返って次回も楽しみたいです。」
「刺激をもらった。傾聴してもらって自分の思いを言語化できて嬉しかった。」

たくさん対話して問いを深め、達成感とともに充実感を噛み締めるようでした。


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